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side 瑠威
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「まぁ!学坊ちゃまじゃありませんか!」
「キヨさん、ひさしぶりだね。
元気にしてた?」
「はい、それはもう…坊ちゃんこそ、お元気だったんですか?」
久しぶりの家は懐かしくもあり、入った途端にどこか居心地の悪い気もした。
「親父は帰ってる?」
「ええ、お帰りですよ。」
今日、ここに来たのが正しいことなのかそうじゃないのか、俺にはわからなかった。
だけど、俺はどうしてもここに来なくちゃならない…そんな強い気持ちにかられて、ついに来てしまったんだ。
しばらくすると、重い扉が開き、長い間離れていた親父が現れた。
最後に会った時より白髪が増えたせいか、老けた感じがする。
「おひさしぶりです。」
「……今頃、何の用だ。」
「今日は…結婚のお許しをいただきに参りました。」
「結婚だと?」
親父は俺の言葉を鼻で笑った。
思っていた通りの反応だ。
これから先、かおりのことを話せば、風当たりはさらに強くなるだろう。
それでも、俺は話さなければならない。
かおりに肩身の狭い想いをさせないためにも…
俺は、心を据えて、話を続けた。
かおりのことをなんとか許してもらおうと、心を込めて誠実に話し続けた。
「まぁ!学坊ちゃまじゃありませんか!」
「キヨさん、ひさしぶりだね。
元気にしてた?」
「はい、それはもう…坊ちゃんこそ、お元気だったんですか?」
久しぶりの家は懐かしくもあり、入った途端にどこか居心地の悪い気もした。
「親父は帰ってる?」
「ええ、お帰りですよ。」
今日、ここに来たのが正しいことなのかそうじゃないのか、俺にはわからなかった。
だけど、俺はどうしてもここに来なくちゃならない…そんな強い気持ちにかられて、ついに来てしまったんだ。
しばらくすると、重い扉が開き、長い間離れていた親父が現れた。
最後に会った時より白髪が増えたせいか、老けた感じがする。
「おひさしぶりです。」
「……今頃、何の用だ。」
「今日は…結婚のお許しをいただきに参りました。」
「結婚だと?」
親父は俺の言葉を鼻で笑った。
思っていた通りの反応だ。
これから先、かおりのことを話せば、風当たりはさらに強くなるだろう。
それでも、俺は話さなければならない。
かおりに肩身の狭い想いをさせないためにも…
俺は、心を据えて、話を続けた。
かおりのことをなんとか許してもらおうと、心を込めて誠実に話し続けた。
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