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side 瑠威

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 「いや~、最高だったよ!」



 三度目のライブが終わった頃、レコード会社の人達が楽屋にやって来た。
 中年の人は以前来た人だったが、もう片方の人は初めて見る顔だった。



 「初めまして。僕は宣伝部の吉井といいます。
 今日、初めてライブを見せてもらったんですが、本当に感激しましたよ。」

 前回来た人とは違う人が、興奮したようにそう言った。
 俺達のライブを気に入ってもらえたようで良かった。
 明日、皆で話し合いをすることになった。
メジャーデビューの話が、どんどん現実のものに近付いていることが、まだどこか信じられない想いだ。



 「今夜も良い酒が飲めそうだなぁ…」

 「あれ?……そういえば、かお姉は?」

 「あ、今日は早めに帰るってさっき…」

 「えーーーっ…なんだよ、それ…」

 俺に言うと文句を言われると思ったのか、小西にそんな伝言を残して帰るなんて…



「かおり、なんで先に帰るって?」

 「理由は特に言ってなかったけど…」

せっかく今日は楽しく飲めると思ったのに…
やっぱり仕事の事が気になってるんだろうか?
でも、こんな日くらい、仕事のことはすっぱり忘れて楽しめば良いのに…



かおりが帰ってしまったことで、テンションは下がってしまったけど…
仕方がない…
仲間と楽しい酒を飲もうと、無理矢理に気持ちを切り替えた。
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