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 「北川さん、今夜は和食なんていかがですか?」

 「和食ですか、良いですね。」

 藤堂さんからランチに誘われた。
ランチをいただきながら、また今夜の食事に誘われた。



 二日も続けて遅く帰ることなんて、滅多になかったけれど、もうそんなことを気にする必要はない。
むしろ、こういうことを続けて、瑠威に、何かおかしいと気付いてもらわなきゃいけないんだから。



おかしいといえば、今日の瑠威と望結は何もない顔をしていたけれど、どういうことだろう?
 昨夜のことは私の勘違いだったとでもいうの?
まさか…私もそこまでカンは鈍くないつもりだ。
 確かに昨夜の二人はおかしかった。
それは間違いない。



 二人とも、芝居をしていたということ?
 私に悟られないように…?



 心の中はもやもやとしていたけれど、直接、二人に聞くわけにはいかない。



 「……さん、北川さん!」

 「え?」

 顔をあげたら、藤堂さんが困ったような顔で笑ってた。



 「どうされたんです?ぼーっとされて…」

 「あ、す、すみません。」

 「悩みがあるのなら、僕が聞きますよ。」

 「あ、ありがとうございます。
では、また、今夜にでもお話しさせていただきます。」

 
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