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side かおり

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気の晴れない日々が続いた。
 私はまだどうするべきなのか、わかっていない。



シュバルツのライブもなんとなく行く気になれず、仕事が忙しいと嘘を吐いて行かなかった。
 最近は瑠威の顔を見るだけでも、なんとなく後ろめたさを感じてしまう。
 瑠威に悟られないように、どうにか平静を装ってはいるけれど、私にはそれが精いっぱいだ。



そんな時、瑠威から電話がかかって来た。
 打ち上げだけでも来いという…
行きたくはなかった。
けれど、行かなければ瑠威だけじゃなく、望結もおかしいと感じるかもしれない。
だから、仕方なく出かけることにした。



 重い足を引きずって、ライブハウスの傍まで来た時…
私の目にある女の子の姿が留まった。
シュバルツのファンらしき女の子が、建物の陰に潜んでライブハウスの方を見ていたのだ。
どうして隠れてるんだろう?
ごく当然の疑問を感じ、その子を見ていたら、不意にその子が振り向いた。



 (……あっ!)



その子の顔には見覚えがあった。
ウィッグをかぶり、普段見慣れない格好をしているけれど、それは間違いなく……



(望結……)



あの子はあんな変装をしてまで瑠威に会いに行ってたんだ…



そう思うと、何とも言えない気持ちになって、私はそのまま回れ右をして駅への道を歩き出した。
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