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「おはよう。」

 「おはよう。」

 次の日の朝も、望結はぼんやりとした顔をしていた。
 望結と顔を合わせるのが辛い。
どんな顔をしていれば良いのかわからない。
そんな心の内を知られないように、私は殊更に明るい笑顔を浮かべた。



 「なんだ、望結…
最近、なんだかぼーっとしてるなぁ。」

 「えっ!?そ、そんなことないよ。
ちょ、ちょっと、最近夜更かしが多かったから…」

 「夜更かしって、勉強でもしてるのか?」

 「瑠威…そんなことはいいじゃない。
さぁ、朝ごはんを食べましょう。」

 瑠威は何も知らない。
 望結が瑠威のことを愛してることなんて少しも…
瑠威のちょっとした言葉が、望結に突き刺さることも…
だから、私はそそくさと朝食の準備をした。



 「望結、早く食べて学校行かなきゃ。」

 「う、うん。」

 朝ごはんを食べる望結の横顔を見ながら、ふと考えた。



 望結は私のことをどう思っているのだろう?
 自分の愛する男と付き合っている私のことを…



軽蔑してるだろうか?
それとも憎んでる…?



そんなことを考えると、胸がひどく傷んだ。
 望結は私にとってかけがえのない娘…
そんな望結に憎まれたり恨まれたりしてるとしたら、私はどうすれば良いのだろう…?

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