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side 瑠威

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それは意外な感情だった。
だって、かおりは俺よりもずっと年上だ。
 今までにも年上の女と付き合ったことはあったが、最高でも五つだ。
かおりとの年の差はそんなもんじゃない。



 俺は、かおりに母親のようなものを感じているのだろうか?と、自分の気持ちを分析しようとしたがうまくいかなかった。
なぜ、そんなにもかおりのことが気になるのか…
なぜ、かおりといると心が安らぐのか…
俺にはそれがわからなかった。



 心の中がもやもやとしたまま…俺はかおりにひかれ続けていた。
そんなある日、俺はかおりに身の上話を聞いた。
 子供が四つの時に、旦那が事故で急死して、それからはかおりがひとりで働き、子供を育てたということだった。
かおりは湿っぽくではなく、明るい感じで笑って話してたけど、その時の苦労がどれほどのものかは想像するに難くない。
 涙を流すことも何度もあっただろうと思う。
 考えてみれば、かおりは今まで愚痴や泣き言のような話をしたことがなかった。
 旦那のことだって、俺が聞いたから話してくれたんだ。
とても強い女だと思った。
だけど、それは、かおりがそれだけ無理をして頑張って来たということ…
その時、俺は心の底からかおりを守ってやりたいと思った。
 男としての本能とでもいうのか、かおりのことが愛しくてしかたなくて…



その時、俺は今までのもやもやしていた気持ちが、異性に対する愛情だったんだって、気付いたんだ……

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