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璃愛とエミリー

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 「そういえば、さゆみ……どうして、シュバルツのファンになったの?」

フェルトをニードルでぷすぷす刺しながら、私はふと頭に浮かんだことを訊ねてみた。



 「あぁ…元はね、クロウさんがうちの店に来たことなんだ。」

さゆみの家は、ご両親で喫茶店をしている。
 私も何度か行ったことがあるけど、センスが良くて、とっても落ち着いた雰囲気のお店だ。



 「クロウさんって…ベースの人だよね?」

 「望結、一度しか見てないのによく覚えてるね。」

 「ま、まぁね…」

メンバーの話はよく聞いてるから…なんて言えるはずもなく、私は俯いてフェルトを刺し続けた。



 「バンドやってる人だろうなっていうのは見た目からわかってたけど、特に何も思わなかったんだ。
だけど、ある時、クロウさんがめちゃめちゃ格好良い人を連れて来て…
それが瑠威だったんだけどね。
 一目惚れしちゃったってわけ…」

 「えっ!?それじゃあ、シュバルツの曲とかが好きってわけじゃなくて、瑠威に一目惚れしたことが発端だっていうの?」

 「そうだよ。だって、瑠威は私の理想のタイプそのまんまだったんだもん!」

 「そ、そうなんだ……」
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