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彼の事情

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「一回くらい見に来いよ。」

 「やだよ。
 私、ヴィジュアル系なんて好きじゃないもん。」

 「良く言うな。
 未来のパパに向かって、そんなこと…」

 「パ、パパって…そんなの私認めないんだから…!
あ、そんなことより、早く準備しないとバイト遅刻するよ!」

 「はい、はい。」

 本当にもうドキッとすることをサラッと言うんだから…
私は素知らぬ顔で食器を片付けるふりをしてキッチンに向かった。



 食器を洗ってる間も、さっきの言葉が頭の中をぐるぐる回る。



どうなっちゃうんだろう?
 本当に、ママと瑠威が結婚したら…
まぁ、生活自体は今と変わらないかもしれないけど、やっぱりいやだ…
五つしか離れてないパパなんて…
やっぱりここは頑なに反対するしかない。
 多分、瑠威のご両親だって反対するだろうから、大丈夫だとは思うけど…

 
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