Gift

ルカ(聖夜月ルカ)

文字の大きさ
上 下
677 / 697
097. 決戦

しおりを挟む




 「着きました。ここに鬼たちがいます。」

 犬たちは、半次郎を船に乗せ、近くの小島に連れて行きました。



 「よし、わかった。」

 「あ、お待ちください。
 戦闘の前にこれをお召し上がりください。」

 犬は、半次郎の前に、きびだんごを差し出しました。



 「なんだ、これは?」

 「きびだんごでございます。
さぁ、どうぞ。」

 訝し気な顔をしながらも、半次郎はきびだんごを食べました。



 「それと…申し訳ないのですが、これに着替えて下さい。」

 犬は、桃の描かれた鎧と鉢巻を半次郎に差し出しました。
 半次郎は嫌そうな顔をしましたが、それでも、渋々、着替えました。



 「では、参りましょう!」

 舟を降り、しばらく歩くと、鬼の集落が見えてきました。



 「hey!who are you?」

 鬼のひとりが目ざとく半次郎たちに気付き、大きな声で叫びました。
 半次郎にその言葉の意味はわかりませんでしたが、とりあえず、刀を構えました。
すると、鬼たちは一斉に長い鉄砲を構え、半次郎を撃って来ました。



 「うわぁ!」

 弾は、半次郎の体に当たりましたが、半次郎は蚊に刺された程度の痛みしか感じません。
しかも、弾はそのうち体から押し出されて来たのです。



 「こ、これはどういうことだ?」

 「さっきのきびだんごの効果で、半次郎様は不死身になられたのです。」

 「なんと!?」

 「その効果は、十年続きます。」



 半次郎は目を丸くしながらも、鬼たちに向かって行きました。
 鉄砲で撃たれてもなんともない半次郎に、鬼たちは怯えています。



 「てやーっ!」

 半次郎は、鬼たちはバッタバッタと峰打ちにして倒していきます。



 「I hate to say this, but I lost…」

 何事かを口にしながら、一際大きな鬼が半次郎の前に膝を着き、財宝を差し出しました。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

ラッキーアイテムお題短編集7

ルカ(聖夜月ルカ)
ファンタジー
オール1ページの超短編集です。

ラッキーアイテムお題短編集5

ルカ(聖夜月ルカ)
ファンタジー
ラッキーアイテムのお題で書いた短編集です。

赤い流れ星3

ルカ(聖夜月ルカ)
ファンタジー
美幸とシュウ、そして、野々村と和彦はどうなる!? 流れ星シリーズ、第3弾。完結編です。 時空の門をくぐったひかりとシュウ… お互いの記憶をなくした二人は…? 誤解ばかりですれ違う和彦と野々村は、一体どうなる? ※表紙画はくまく様に描いていただきました。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

ラッキーアイテムお題短編集6

ルカ(聖夜月ルカ)
ファンタジー
星座のラッキーアイテムをお題に書いた短編集です。

お礼(無謀)企画

ルカ(聖夜月ルカ)
ファンタジー
リクエストによるSS集です。 主にファンタジーになるはずです。 リクエスト、激しく募集中! ※表紙イラストはBy.ハチムラリン様です。m(__)m

💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活

XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

処理中です...