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ルカ(聖夜月ルカ)

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087. あきんど

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「君は…本当に可愛いね!
僕、君の顔大好きだよ!」

「ほんまか?おおきに。
わて、これでも女の子にはけっこうウケがええんやで。
……とはゆーても『可愛い』て言われるんはほんまは複雑な心境なんや。
やっぱり、わてはどっからどう見ても虎族には見えへんのやなぁ…」

ロッシーは遠い目をして小さな溜め息を吐いた。
僕からしたら、それは羨ましいような悩みだ。
彼は、同族には馬鹿にされるかもしれないけど、あんな可愛い顔をしてるんだもの。
同じように珍しがられるにしても、あんなに可愛い顔だったら僕みたいに気持ち悪がられることもないもんね…




「……なんだ?おまえ達、俺達をほったらかしてそんなとこで何してるんだ?」

やっと喧嘩が終わったのか、ケンタロウとフェリーシアが何事もなかったように僕達の所にやってきた。



「何言ってるんだよ。
僕達は、君達の喧嘩が終わるのを待ってたんだよ!」

「仲裁もしないで、なにが待ってた…よ!
あんたが止めてくれないから、私達すっかり疲れちゃったじゃない。」

「フェリーシアの言う通りだ。
俺、疲れて腹ぺこだぞ。
ちょっと早いけど、めしにしないか?」

二人の勝手な言い草に、僕とロッシーは呆れて何も言えなくなった。
かといって怒る気にもなれず、ケンタロウの言う通り、僕達はちょっと早い昼食を食べることにした。
さっきのお礼にとロッシーが缶詰を提供してくれて、ケンタロウは大喜びだった。







「えーーーーーっ!?」

僕とケンタロウは思わず大きな声を上げた。
それは、ロッシーが思いがけないことを言い出したからなんだ。



「ええやんか。
わてがおったら、路銀に困るようなことにはならへんで。
その代わり、二人にはわてのことを守ってもらう。
さっきみたいなことがまたあるかもしれへんからな。
それに、どうせ、旅するならみんなでわいわい楽しゅう行った方がええと思わへんか?
な、決まりや!
とかやん、ケンタロウ…それにどこにいてるかわからへんフェリーシア、よろしゅう頼むで!」

ロッシーは、僕らと一緒に旅をする事を勝手に決めてしまったんだ…


 
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