612 / 697
087. あきんど
7
しおりを挟む
「君は…本当に可愛いね!
僕、君の顔大好きだよ!」
「ほんまか?おおきに。
わて、これでも女の子にはけっこうウケがええんやで。
……とはゆーても『可愛い』て言われるんはほんまは複雑な心境なんや。
やっぱり、わてはどっからどう見ても虎族には見えへんのやなぁ…」
ロッシーは遠い目をして小さな溜め息を吐いた。
僕からしたら、それは羨ましいような悩みだ。
彼は、同族には馬鹿にされるかもしれないけど、あんな可愛い顔をしてるんだもの。
同じように珍しがられるにしても、あんなに可愛い顔だったら僕みたいに気持ち悪がられることもないもんね…
「……なんだ?おまえ達、俺達をほったらかしてそんなとこで何してるんだ?」
やっと喧嘩が終わったのか、ケンタロウとフェリーシアが何事もなかったように僕達の所にやってきた。
「何言ってるんだよ。
僕達は、君達の喧嘩が終わるのを待ってたんだよ!」
「仲裁もしないで、なにが待ってた…よ!
あんたが止めてくれないから、私達すっかり疲れちゃったじゃない。」
「フェリーシアの言う通りだ。
俺、疲れて腹ぺこだぞ。
ちょっと早いけど、めしにしないか?」
二人の勝手な言い草に、僕とロッシーは呆れて何も言えなくなった。
かといって怒る気にもなれず、ケンタロウの言う通り、僕達はちょっと早い昼食を食べることにした。
さっきのお礼にとロッシーが缶詰を提供してくれて、ケンタロウは大喜びだった。
*
「えーーーーーっ!?」
僕とケンタロウは思わず大きな声を上げた。
それは、ロッシーが思いがけないことを言い出したからなんだ。
「ええやんか。
わてがおったら、路銀に困るようなことにはならへんで。
その代わり、二人にはわてのことを守ってもらう。
さっきみたいなことがまたあるかもしれへんからな。
それに、どうせ、旅するならみんなでわいわい楽しゅう行った方がええと思わへんか?
な、決まりや!
とかやん、ケンタロウ…それにどこにいてるかわからへんフェリーシア、よろしゅう頼むで!」
ロッシーは、僕らと一緒に旅をする事を勝手に決めてしまったんだ…
僕、君の顔大好きだよ!」
「ほんまか?おおきに。
わて、これでも女の子にはけっこうウケがええんやで。
……とはゆーても『可愛い』て言われるんはほんまは複雑な心境なんや。
やっぱり、わてはどっからどう見ても虎族には見えへんのやなぁ…」
ロッシーは遠い目をして小さな溜め息を吐いた。
僕からしたら、それは羨ましいような悩みだ。
彼は、同族には馬鹿にされるかもしれないけど、あんな可愛い顔をしてるんだもの。
同じように珍しがられるにしても、あんなに可愛い顔だったら僕みたいに気持ち悪がられることもないもんね…
「……なんだ?おまえ達、俺達をほったらかしてそんなとこで何してるんだ?」
やっと喧嘩が終わったのか、ケンタロウとフェリーシアが何事もなかったように僕達の所にやってきた。
「何言ってるんだよ。
僕達は、君達の喧嘩が終わるのを待ってたんだよ!」
「仲裁もしないで、なにが待ってた…よ!
あんたが止めてくれないから、私達すっかり疲れちゃったじゃない。」
「フェリーシアの言う通りだ。
俺、疲れて腹ぺこだぞ。
ちょっと早いけど、めしにしないか?」
二人の勝手な言い草に、僕とロッシーは呆れて何も言えなくなった。
かといって怒る気にもなれず、ケンタロウの言う通り、僕達はちょっと早い昼食を食べることにした。
さっきのお礼にとロッシーが缶詰を提供してくれて、ケンタロウは大喜びだった。
*
「えーーーーーっ!?」
僕とケンタロウは思わず大きな声を上げた。
それは、ロッシーが思いがけないことを言い出したからなんだ。
「ええやんか。
わてがおったら、路銀に困るようなことにはならへんで。
その代わり、二人にはわてのことを守ってもらう。
さっきみたいなことがまたあるかもしれへんからな。
それに、どうせ、旅するならみんなでわいわい楽しゅう行った方がええと思わへんか?
な、決まりや!
とかやん、ケンタロウ…それにどこにいてるかわからへんフェリーシア、よろしゅう頼むで!」
ロッシーは、僕らと一緒に旅をする事を勝手に決めてしまったんだ…
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
赤い流れ星3
ルカ(聖夜月ルカ)
ファンタジー
美幸とシュウ、そして、野々村と和彦はどうなる!?
流れ星シリーズ、第3弾。完結編です。
時空の門をくぐったひかりとシュウ…
お互いの記憶をなくした二人は…?
誤解ばかりですれ違う和彦と野々村は、一体どうなる?
※表紙画はくまく様に描いていただきました。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活
XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる