598 / 697
086. 途方に暮れる
2
しおりを挟む
「良いよ。
そんなに気を遣わなくても…
料理は、中華のケータリングを頼んであるからね。」
「え…?ケータリング?
本当に?」
「本当だが…何か?
もしかして、中華は苦手なのか?」
「いや…そうじゃないのねん。
ありがとなのねん。」
それはとても意外な答えだった。
世夜とメリーは、考えた末に、真澄さんに迷惑をかけてはいけないからと、パーティの日の料理は自分達で作ると申し出たのだが、料理は真澄さんが作るのではなくケータリングに頼むと言う。
「心配しすぎだったのねん。」
「そのようだな…
とにかく良かったじゃないか。
これで、パーティには安心して行けるな!」
「楽しみなのねん!」
世夜とメリーは、ホッと胸をなで降ろした。
*
「ねぇ、世夜は、メリーに何をあげるの?」
放課後、メリーが席をはずしたのをきっかけに、アヤが世夜に声をかけた。
「一応、本人の希望でピアス。」
「ピアスかぁ…じゃあ、私は違うものの方が良いよね。
何にしようかなぁ…
あ!真澄さん!
真澄さんは、メリーへのプレゼントはもう決めた?」
「あぁ、それなら今年は手作りのものに決めた。」
「手作り?
もしかして、真澄さんの手編みのセーターとか?!」
悪戯っぽくアヤが微笑む。
「まさか…
実は、僕、最近ちょっと料理に目覚めてしまってね。
でも、まだお菓子類は作ったことがないから、彼には手作りのバースディケーキを作ってやろうと思ってね。」
真澄のその言葉に二人は青ざめた。
「あ、そろそろ、帰らなきゃ…
今日は、ちょっと見たいドラマがあるんで先に失礼するよ。」
真澄が出て行ったのと同時に、メリーがトイレから戻って来た。
「大変だ、メリー!」
「ど、どうしたのん?!」
「実はな……
真澄さんからおまえの誕生日プレゼントは…バースディケーキらしいぞ!」
「うわぁい!どんなケーキかなぁ?
たのしみなのねん!」
「……真澄さん手作りのケーキらしいぞ。」
「え………?!」
その一言で、まるで時が止まったかのようにメリーの動きがぴたりと止まった。
そんなに気を遣わなくても…
料理は、中華のケータリングを頼んであるからね。」
「え…?ケータリング?
本当に?」
「本当だが…何か?
もしかして、中華は苦手なのか?」
「いや…そうじゃないのねん。
ありがとなのねん。」
それはとても意外な答えだった。
世夜とメリーは、考えた末に、真澄さんに迷惑をかけてはいけないからと、パーティの日の料理は自分達で作ると申し出たのだが、料理は真澄さんが作るのではなくケータリングに頼むと言う。
「心配しすぎだったのねん。」
「そのようだな…
とにかく良かったじゃないか。
これで、パーティには安心して行けるな!」
「楽しみなのねん!」
世夜とメリーは、ホッと胸をなで降ろした。
*
「ねぇ、世夜は、メリーに何をあげるの?」
放課後、メリーが席をはずしたのをきっかけに、アヤが世夜に声をかけた。
「一応、本人の希望でピアス。」
「ピアスかぁ…じゃあ、私は違うものの方が良いよね。
何にしようかなぁ…
あ!真澄さん!
真澄さんは、メリーへのプレゼントはもう決めた?」
「あぁ、それなら今年は手作りのものに決めた。」
「手作り?
もしかして、真澄さんの手編みのセーターとか?!」
悪戯っぽくアヤが微笑む。
「まさか…
実は、僕、最近ちょっと料理に目覚めてしまってね。
でも、まだお菓子類は作ったことがないから、彼には手作りのバースディケーキを作ってやろうと思ってね。」
真澄のその言葉に二人は青ざめた。
「あ、そろそろ、帰らなきゃ…
今日は、ちょっと見たいドラマがあるんで先に失礼するよ。」
真澄が出て行ったのと同時に、メリーがトイレから戻って来た。
「大変だ、メリー!」
「ど、どうしたのん?!」
「実はな……
真澄さんからおまえの誕生日プレゼントは…バースディケーキらしいぞ!」
「うわぁい!どんなケーキかなぁ?
たのしみなのねん!」
「……真澄さん手作りのケーキらしいぞ。」
「え………?!」
その一言で、まるで時が止まったかのようにメリーの動きがぴたりと止まった。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
赤い流れ星3
ルカ(聖夜月ルカ)
ファンタジー
美幸とシュウ、そして、野々村と和彦はどうなる!?
流れ星シリーズ、第3弾。完結編です。
時空の門をくぐったひかりとシュウ…
お互いの記憶をなくした二人は…?
誤解ばかりですれ違う和彦と野々村は、一体どうなる?
※表紙画はくまく様に描いていただきました。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活
XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる