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ルカ(聖夜月ルカ)

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086. 途方に暮れる

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「良いよ。
そんなに気を遣わなくても…
料理は、中華のケータリングを頼んであるからね。」

「え…?ケータリング?
本当に?」

「本当だが…何か?
もしかして、中華は苦手なのか?」

「いや…そうじゃないのねん。
ありがとなのねん。」

それはとても意外な答えだった。
世夜とメリーは、考えた末に、真澄さんに迷惑をかけてはいけないからと、パーティの日の料理は自分達で作ると申し出たのだが、料理は真澄さんが作るのではなくケータリングに頼むと言う。



「心配しすぎだったのねん。」

「そのようだな…
とにかく良かったじゃないか。
これで、パーティには安心して行けるな!」

「楽しみなのねん!」

世夜とメリーは、ホッと胸をなで降ろした。







「ねぇ、世夜は、メリーに何をあげるの?」

放課後、メリーが席をはずしたのをきっかけに、アヤが世夜に声をかけた。



「一応、本人の希望でピアス。」

「ピアスかぁ…じゃあ、私は違うものの方が良いよね。
何にしようかなぁ…
あ!真澄さん!
真澄さんは、メリーへのプレゼントはもう決めた?」

「あぁ、それなら今年は手作りのものに決めた。」

「手作り?
もしかして、真澄さんの手編みのセーターとか?!」

悪戯っぽくアヤが微笑む。



「まさか…
実は、僕、最近ちょっと料理に目覚めてしまってね。
でも、まだお菓子類は作ったことがないから、彼には手作りのバースディケーキを作ってやろうと思ってね。」

真澄のその言葉に二人は青ざめた。



「あ、そろそろ、帰らなきゃ…
今日は、ちょっと見たいドラマがあるんで先に失礼するよ。」

真澄が出て行ったのと同時に、メリーがトイレから戻って来た。



「大変だ、メリー!」

「ど、どうしたのん?!」

「実はな……
真澄さんからおまえの誕生日プレゼントは…バースディケーキらしいぞ!」

「うわぁい!どんなケーキかなぁ?
たのしみなのねん!」

「……真澄さん手作りのケーキらしいぞ。」

「え………?!」

その一言で、まるで時が止まったかのようにメリーの動きがぴたりと止まった。 
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