495 / 697
070. 光りさす庭
3
しおりを挟む
「それは、一体どういうことなんだ?!
あんたはその場所で、どんな願い事をしたんだ?」
「だから…それは覚えておらんのだ。
その時のことについては何も…な。」
「では、なぜ、この地図があの噂の場所だってわかるんだ?」
「わかったのではない。
なんというか…ごく直感的なものだ。
わしの心の中の何者かが、そんなことを呟いたんだ…」
「……それで…なぜ、俺にこんなもんを見せたんだ?」
「行ってみてほしいんだ…」
「え……っ?」
「わしはこの通り、もう老いぼれている。
おそらくそこにはもう辿りつけんと思うのだ。
だが、あんたは頑丈そうな身体をしておる。
きっと、あの場所へ辿りつけると思うんだ。
そして、そこがどんな所だったか、何を願ったかを教えてほしいんだ。
もちろん、そこまでの路銀も出すし、もし、ちゃんと調べてくれたらそれなりの報酬も出す。
どうかお願いだ…!」
スコットがなぜそんな昔のことにこだわるのか、タイラーにはわからなかった。
だが、タイラーにもその話は魅力的なものに思えた。
彼は、元々、好奇心が旺盛な男だった。
願い事が叶う等ということは信じてはいなかったが、その好奇心を満たせるだけではなく、報酬までもらえるとなれば、タイラーが断る理由はなかった。
その晩、タイラーはスコットの家に泊まり、次の朝、出発する事となった。
スコットも、近くの町まで同行するという。
地図を頼りに、馬車を乗り継いで、数週間後…二人はある町に着いた。
*
「お……おぉ……
ここ…わしは、ここに来た…
そうだ!
ここが、あのおかしな気持ちを感じた町だ…」
地図に描かれた願いの番人がいる場所から一番近いのがこの町だ。
スコットは、青い顔をして町の前で立ち尽していた。
「じゃあ、あんたはここで待っていてくれ。
俺は、願いの番人とやらに会って来るからな。」
未だ、混乱している様子のスコットに手を振り、タイラーは地図に描かれた場所を目指した。
あんたはその場所で、どんな願い事をしたんだ?」
「だから…それは覚えておらんのだ。
その時のことについては何も…な。」
「では、なぜ、この地図があの噂の場所だってわかるんだ?」
「わかったのではない。
なんというか…ごく直感的なものだ。
わしの心の中の何者かが、そんなことを呟いたんだ…」
「……それで…なぜ、俺にこんなもんを見せたんだ?」
「行ってみてほしいんだ…」
「え……っ?」
「わしはこの通り、もう老いぼれている。
おそらくそこにはもう辿りつけんと思うのだ。
だが、あんたは頑丈そうな身体をしておる。
きっと、あの場所へ辿りつけると思うんだ。
そして、そこがどんな所だったか、何を願ったかを教えてほしいんだ。
もちろん、そこまでの路銀も出すし、もし、ちゃんと調べてくれたらそれなりの報酬も出す。
どうかお願いだ…!」
スコットがなぜそんな昔のことにこだわるのか、タイラーにはわからなかった。
だが、タイラーにもその話は魅力的なものに思えた。
彼は、元々、好奇心が旺盛な男だった。
願い事が叶う等ということは信じてはいなかったが、その好奇心を満たせるだけではなく、報酬までもらえるとなれば、タイラーが断る理由はなかった。
その晩、タイラーはスコットの家に泊まり、次の朝、出発する事となった。
スコットも、近くの町まで同行するという。
地図を頼りに、馬車を乗り継いで、数週間後…二人はある町に着いた。
*
「お……おぉ……
ここ…わしは、ここに来た…
そうだ!
ここが、あのおかしな気持ちを感じた町だ…」
地図に描かれた願いの番人がいる場所から一番近いのがこの町だ。
スコットは、青い顔をして町の前で立ち尽していた。
「じゃあ、あんたはここで待っていてくれ。
俺は、願いの番人とやらに会って来るからな。」
未だ、混乱している様子のスコットに手を振り、タイラーは地図に描かれた場所を目指した。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
隣の人妻としているいけないこと
ヘロディア
恋愛
主人公は、隣人である人妻と浮気している。単なる隣人に過ぎなかったのが、いつからか惹かれ、見事に関係を築いてしまったのだ。
そして、人妻と付き合うスリル、その妖艶な容姿を自分のものにした優越感を得て、彼が自惚れるには十分だった。
しかし、そんな日々もいつかは終わる。ある日、ホテルで彼女と二人きりで行為を進める中、主人公は彼女の着物にGPSを発見する。
彼女の夫がしかけたものと思われ…
どうして隣の家で僕の妻が喘いでいるんですか?
ヘロディア
恋愛
壁が薄いマンションに住んでいる主人公と妻。彼らは新婚で、ヤりたいこともできない状態にあった。
しかし、隣の家から喘ぎ声が聞こえてきて、自分たちが我慢せずともよいのではと思い始め、実行に移そうとする。
しかし、何故か隣の家からは妻の喘ぎ声が聞こえてきて…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる