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ルカ(聖夜月ルカ)

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068. 狂熱の骸

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『なぁ、あんたは知らないか?
この苦しみから解放される方法を…』

「それは…きっと、あなたが今の想いを捨てない限り、無理なのではないでしょうか?」

『想いを…?
なんでだ?
そりゃあ、憎むのは悪い事かもしれないが、俺はそれだけのことをされたんだ。
あいつのことを憎むのは当たり前のことじゃないか。
それに、世間ではよく言われるじゃないか。
愛する事は美しいと…
俺があの女のことを愛していて、なぜそれがいけないんだ!』

骨は、ますます熱さを増し、私の身体からは滝のような汗が流れ始めた。



「確かにあなたは不幸な最期を遂げられたようだ。
それには同情します。
しかし、その原因を作られたのはあなただ…」

『どういうことだ!
あんたは俺が悪いと言うのか!
俺のどこが殺されなきゃいけない原因を作ったって言うんだ!』

「恋愛は…一人でするものではありませんよ。
相手があってからこそ、成立することです。
あなたは、相手の女性の気持ちを確かめたことがあるのですか?」

『だ…だって、俺は今でもこんなにあの女のことが好きなんだ…
あいつだって、もちろん…』

「あなたの愛はただの押し付けです。
彼女には好きな人がいたのに、あなたはそれをも無視して自分の気持ちを押し付けようとした。
そのことで、彼女やその恋人の男性がどんなに苦しんだか、わからなかったのですが…?」

『苦しんだ…?そ、そんな馬鹿なことがあるもんか!
俺は、ただ、彼女のことが好きでたまらなかっただけで…
もちろん結婚したら幸せにしてやろうと思ってたし、尽くしてやるつもりだった…
女にとって男から愛される事は幸せなことじゃないのか?』

「あなたに悪意がなかったことはわかります。
ですが、あなたの一方的な行動のせいで、彼女達は相当に苦しみ、そして追い詰められてどうしようもなくなってあなたに酷いことをしてしまったんだと思いますよ。」

『そんな…俺は…俺は…』

急激に骨の熱が冷めていく…
信じられない話だが、男は、自分のやったことが今までまるでわかっていなかったようだ。
おそらく、物事を他人側から考えてみたことが全くなかったのだろう。
骨は、私に言われたことを考えているかのように思えた。

 
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