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065. 黄昏
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「実は……」
ランスロットの話はこうだった。
隣町に行くつもりがどうしたことか、おかしな所に迷いこんでしまった。
そこで、奴は山の中の不思議な道具屋をみつけ、道を尋ねるつもりで立ち寄った。
話の流れで、つい「この方向音痴を直したい。」と、愚痴った所、それなら良いものがあると持ち出されたのが地図だったということだ。
店主は、ここへ行ってみたらきっとその願いを叶えてもらえると言い、ランスロットはその言葉を信じ、地図を買った。
だが、地図は予想以上に高く、あり金を全部叩いても足りなかった。
ランスロットはこれで買えるだけで良いから売ってくれと頼み、3分の2の地図を手にしたということだった。
やがて、店を離れ、どうにかこうにか隣町に辿り着いたランスロットは、宝石を持っていたことを思い出し、それを売って残りを買いに行こうと決めたものの、今度はあの道具屋の場所がどうしてもわからず、さらに、偶然にもレストランでその地図がマザークロスではないかとの情報を得たため、道具屋を探すよりはマザークロスへ行った方がなんとかなると考えたのだそうだ。
奴は、俺が考えてるよりもずっと深刻に自分の方向音痴に悩んでいるらしい。
「なるほど…そういうことだったのか…
だから、おまえはこれが小人の村の地図だって知らなかったんだな。」
「ええ…方向音痴を直していただけるのなら、私はその相手が小人であろうと魔法使いであろうっと、なんだって良いのです。
それが、たとえ、悪魔であっても……!
……いえ、やはり、悪魔はいけませんね。」
そう言いながら、ランスロットは何度も首を振る。
「ところで、ルークさん!
小人っていうのは、本当にそんな力を持っているのですか?
そもそも小人自体が、私は伝説だと思っていました。」
「いや…小人はいるよ。
……それに、奴らは魔法も使える…」
「……もしや、ルークさん…
小人にお会いになられたことがあるのですか?」
その言葉に俺はかなり戸惑った。
どう返せば良いんだろう?
こいつのこともいろいろ聞いたんだ。
小人に会ったということは言うつもりだったけど、詳しいことを話すべきかそれとも言わない方が良いのか…俺が悩んだのはそこなんだ。
まだ、こいつがどんな奴なのかもよく知らないんだから。
ランスロットの話はこうだった。
隣町に行くつもりがどうしたことか、おかしな所に迷いこんでしまった。
そこで、奴は山の中の不思議な道具屋をみつけ、道を尋ねるつもりで立ち寄った。
話の流れで、つい「この方向音痴を直したい。」と、愚痴った所、それなら良いものがあると持ち出されたのが地図だったということだ。
店主は、ここへ行ってみたらきっとその願いを叶えてもらえると言い、ランスロットはその言葉を信じ、地図を買った。
だが、地図は予想以上に高く、あり金を全部叩いても足りなかった。
ランスロットはこれで買えるだけで良いから売ってくれと頼み、3分の2の地図を手にしたということだった。
やがて、店を離れ、どうにかこうにか隣町に辿り着いたランスロットは、宝石を持っていたことを思い出し、それを売って残りを買いに行こうと決めたものの、今度はあの道具屋の場所がどうしてもわからず、さらに、偶然にもレストランでその地図がマザークロスではないかとの情報を得たため、道具屋を探すよりはマザークロスへ行った方がなんとかなると考えたのだそうだ。
奴は、俺が考えてるよりもずっと深刻に自分の方向音痴に悩んでいるらしい。
「なるほど…そういうことだったのか…
だから、おまえはこれが小人の村の地図だって知らなかったんだな。」
「ええ…方向音痴を直していただけるのなら、私はその相手が小人であろうと魔法使いであろうっと、なんだって良いのです。
それが、たとえ、悪魔であっても……!
……いえ、やはり、悪魔はいけませんね。」
そう言いながら、ランスロットは何度も首を振る。
「ところで、ルークさん!
小人っていうのは、本当にそんな力を持っているのですか?
そもそも小人自体が、私は伝説だと思っていました。」
「いや…小人はいるよ。
……それに、奴らは魔法も使える…」
「……もしや、ルークさん…
小人にお会いになられたことがあるのですか?」
その言葉に俺はかなり戸惑った。
どう返せば良いんだろう?
こいつのこともいろいろ聞いたんだ。
小人に会ったということは言うつもりだったけど、詳しいことを話すべきかそれとも言わない方が良いのか…俺が悩んだのはそこなんだ。
まだ、こいつがどんな奴なのかもよく知らないんだから。
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