Gift

ルカ(聖夜月ルカ)

文字の大きさ
上 下
400 / 697
058. 冬空の虹

しおりを挟む
「ほ、ほ、ほ、本当かい?!
嘘だったら、承知しないよ!!」

「疑り深いなぁ…ちょっと待ってな!」

道具屋の主人は店の奥に入り、しばらくするとカウンターの上に札束の山を置いた。



「す、す、すげぇ!!」

ジェシカとクリントは、目の前に差し出された札束に目を丸くした。



「さ、これで嘘じゃない事がわかっただろう?早く受け取ってくれ。」

「あ…あぁ…」

ジェシカは、震える手で札束を受け取り袋におさめた。



「とりあえず、宿屋に行こう!
そこで報酬を払うよ!」

ジェシカはクリントに小声で囁き、二人はキョロキョロとあたりに怯えた目を向けながら宿屋へ急ぐ。
宿屋に着くと、一番奥の部屋をとリ、厳重に鍵をかけた上に扉の前には椅子やテーブルを置いてバリケードを築いた。



「じゃ…これ…約束の20%ね。」

「ありがとうよ!
……しかし、驚いたな!
こんなすごい額になるなんて…」

「本当に信じられないよ。
これだけありゃあ、何年か遊んで暮らせるよ。」

「……なぁ…ものは相談なんだが…」

「なんだい?」

「俺と組まないか?」

「……は?」

「なぁ、考えてもみろよ!
こんなすごいお宝に巡りあえることなんてめったにないことだ。
それも、あんたと俺が巡り合った事が関係あるんじゃないか?
俺とあんたのコンビは、なんかうまくいきそうな気がするんだよな。
俺がいたら、鍵の心配はいらないぜ!
第一、そんな大金持ってたら、一人で旅するのは心配じゃないか?」

「そりゃあ…言われてみればそうかもしれないけど…
でも、あんたが安全って保障もないじゃないか!」

「馬鹿を言うなよ。
俺が、危ない奴なら、宝箱をみつけた時点でトンズラしてるぜ!」

「……ま、それもそうか…」



(言われてみればそうだよな。
ま、うまくいかなきゃ別れりゃ良いだけの話だし…)



「わかったよ。
じゃ、しばらくは一緒に組もう!
私は…」

「あ……詳しい紹介はいらない。
最初に言っとくが、あんたとはあくまでもトレジャー・ハンターとしてのコンビだからな。
それ以上のつきあいはする気ないから。」



(なんだ、こいつ…感じ悪い…)



しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい

白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。 私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。 「あの人、私が

[R18] 激しめエロつめあわせ♡

ねねこ
恋愛
短編のエロを色々と。 激しくて濃厚なの多め♡ 苦手な人はお気をつけくださいませ♡

隣の人妻としているいけないこと

ヘロディア
恋愛
主人公は、隣人である人妻と浮気している。単なる隣人に過ぎなかったのが、いつからか惹かれ、見事に関係を築いてしまったのだ。 そして、人妻と付き合うスリル、その妖艶な容姿を自分のものにした優越感を得て、彼が自惚れるには十分だった。 しかし、そんな日々もいつかは終わる。ある日、ホテルで彼女と二人きりで行為を進める中、主人公は彼女の着物にGPSを発見する。 彼女の夫がしかけたものと思われ…

JKがいつもしていること

フルーツパフェ
大衆娯楽
平凡な女子高生達の日常を描く日常の叙事詩。 挿絵から御察しの通り、それ以外、言いようがありません。

結構な性欲で

ヘロディア
恋愛
美人の二十代の人妻である会社の先輩の一晩を独占することになった主人公。 執拗に責めまくるのであった。 彼女の喘ぎ声は官能的で…

RUBBER LADY 屈辱の性奴隷調教

RUBBER LADY
ファンタジー
RUBBER LADYが活躍するストーリーの続編です

私は何人とヤれば解放されるんですか?

ヘロディア
恋愛
初恋の人を探して貴族に仕えることを選んだ主人公。しかし、彼女に与えられた仕事とは、貴族たちの夜中の相手だった…

処理中です...