Gift

053. 50/50（フィフティ・フィフティ）

１

（はふー…）



 神様は、頬杖をつき、深い溜め息を吐き出しました。
 神様の脳裏に浮かんでいるのは、遠い星に住む女神様の美しい笑顔です。
 神様はその女神様のことが好きで好きでたまらなかったのです。
なのに、その女神様の星からうんと離れたこの星に赴任して来て、とても憂鬱な気分を抱えていました。



 （もう我慢出来ない！）



 神様は唐突に立ち上がりました。
そして、女神様の住む星目指して旅立ちました。
 女神様の住む星は、このミンタカ星から遥か遠くにあり、神様の神通力をもってしても、百年近くかかってしまうのです。
しかも、神様はこの星で、今、生物を作り出す作業中でした。
まだたった一体しか作っていないというのに、その作業をほっぽり出して女神様の所へ向かってしまったのです。