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050. 過去・現在・未来
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(なんて幸せなんだろう…)
ドリーンの手料理はとても美味いものだった。
ドリーンとジョシュア、そしてビリーの三人でテーブルを囲み笑い声に包まれて昼食をとった。
ビリーは心の中で現在のカードにお礼を言った。
今こうして自分の向かい側で、ドリーンが穏やかな微笑を見せてくれているのもあの現在のカードのお陰なのだから。
ドリーンが家事をこなす間、ビリーとジョシュアはボードゲームに興じ、そして暗くなるとまた三人で夕食をとった。
「そういえばジョシュアは仕事には就いてないのか?」
「兄さん、忘れたのか?
今日と明日は工場の機械の故障で休みになったって。」
「あ…あぁ、そうだったな。そうだ、そうだ。」
「兄さん、やっぱり一度医者に診てもらえよ。」
「ビリー、頭をどうかしたの?」
「あぁ、たいしたことない…ちょっとぶつけたせいで、記憶がちょっとな…」
「ちょっとじゃないだろ。
兄さんの身に何かあったら大変だからな。
何なら俺が明日ついていってやろうか?」
「大丈夫よ、ジョシュア。
医者の所には私がちゃんと連れて行くから。
それより、今夜は皆でゆっくり飲みましょうね!」
「それが、義姉さん、悪いんだけど、俺、今夜は用が出来ちまったんだ。」
「そんな…
今夜は三人で飲もうって決めてたじゃないの!
あなた、来月からは遠くの町に行くんでしょう?
連休も今回だけで、後はもうないって…」
「すまないな。急に決まったんだ…」
「ねぇ、ビリー、あなたからも言ってよ!
今夜は三人で飲むって決めてたから、お酒もたくさん用意してあるしそれに…」
「ジョシュアは用があるって言ってるだから、仕方ないじゃないか…」
「そんな…ねぇ、ジョシュア、その用はどんな用事なの?
早めに切り上げて戻って来れないの?」
「ごめん、義姉さん…じゃあ、俺、そろそろ行くよ!」
「ジョシュア、待って!
ビリー、あなたもジョシュアを止めて!」
「ドリーン…ジョシュアは用があるんだ。
行かせてやれよ。」
そんなことを言いあっているうちに、ジョシュアは外へ出て行ってしまった。
「ビリー!酷いじゃないの!今夜は、絶対にジョシュアをここに泊めてって言ってたのに、どうして…!!」
「なぜそんなにこだわるんだ?
また今度で良いじゃないか?」
「良くないわ!
ジョシュアは来月には引っ越すのよ。
そうなったら、もうめったに会えなくなるのよ!」
「じゃあ、違う日にすれば良いじゃないか…」
「ジョシュアは連休の日じゃないと深酒はしないわ。
あなただってそんなことくらい知ってるでしょう!」
「夕食を採ってから軽く飲むだけで良いじゃないか。
そのくらいなら、仕事帰りだって出来るだろう?」
「……だめよ!
ゆっくり腰を落ちつけて飲まないと…
だから今夜って決めてたのに、あなたもジョシュアも酷いわ…」
ドリーンの怒りは不自然な程のものだった。
ドリーンの手料理はとても美味いものだった。
ドリーンとジョシュア、そしてビリーの三人でテーブルを囲み笑い声に包まれて昼食をとった。
ビリーは心の中で現在のカードにお礼を言った。
今こうして自分の向かい側で、ドリーンが穏やかな微笑を見せてくれているのもあの現在のカードのお陰なのだから。
ドリーンが家事をこなす間、ビリーとジョシュアはボードゲームに興じ、そして暗くなるとまた三人で夕食をとった。
「そういえばジョシュアは仕事には就いてないのか?」
「兄さん、忘れたのか?
今日と明日は工場の機械の故障で休みになったって。」
「あ…あぁ、そうだったな。そうだ、そうだ。」
「兄さん、やっぱり一度医者に診てもらえよ。」
「ビリー、頭をどうかしたの?」
「あぁ、たいしたことない…ちょっとぶつけたせいで、記憶がちょっとな…」
「ちょっとじゃないだろ。
兄さんの身に何かあったら大変だからな。
何なら俺が明日ついていってやろうか?」
「大丈夫よ、ジョシュア。
医者の所には私がちゃんと連れて行くから。
それより、今夜は皆でゆっくり飲みましょうね!」
「それが、義姉さん、悪いんだけど、俺、今夜は用が出来ちまったんだ。」
「そんな…
今夜は三人で飲もうって決めてたじゃないの!
あなた、来月からは遠くの町に行くんでしょう?
連休も今回だけで、後はもうないって…」
「すまないな。急に決まったんだ…」
「ねぇ、ビリー、あなたからも言ってよ!
今夜は三人で飲むって決めてたから、お酒もたくさん用意してあるしそれに…」
「ジョシュアは用があるって言ってるだから、仕方ないじゃないか…」
「そんな…ねぇ、ジョシュア、その用はどんな用事なの?
早めに切り上げて戻って来れないの?」
「ごめん、義姉さん…じゃあ、俺、そろそろ行くよ!」
「ジョシュア、待って!
ビリー、あなたもジョシュアを止めて!」
「ドリーン…ジョシュアは用があるんだ。
行かせてやれよ。」
そんなことを言いあっているうちに、ジョシュアは外へ出て行ってしまった。
「ビリー!酷いじゃないの!今夜は、絶対にジョシュアをここに泊めてって言ってたのに、どうして…!!」
「なぜそんなにこだわるんだ?
また今度で良いじゃないか?」
「良くないわ!
ジョシュアは来月には引っ越すのよ。
そうなったら、もうめったに会えなくなるのよ!」
「じゃあ、違う日にすれば良いじゃないか…」
「ジョシュアは連休の日じゃないと深酒はしないわ。
あなただってそんなことくらい知ってるでしょう!」
「夕食を採ってから軽く飲むだけで良いじゃないか。
そのくらいなら、仕事帰りだって出来るだろう?」
「……だめよ!
ゆっくり腰を落ちつけて飲まないと…
だから今夜って決めてたのに、あなたもジョシュアも酷いわ…」
ドリーンの怒りは不自然な程のものだった。
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