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ルカ(聖夜月ルカ)

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048. 追走劇

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「今の話、聞いてたか?
大変なことになっちまったな!」

「じょ、冗談だろ?
私達を成敗するだなんて…」

「いや…アーロンさんの目は本気だった。
なんせあの人は宝石を探し出すために生きてるようなもんだからな。
ここに来た時はまだあの人も小さな子供だったってことだ。
奥さんは屋敷にいるのか別れたのかわからないが、アーロンさんの父親はまだ幼いアーロンさんを連れてこの町に来たらしい。
宝石を奪った泥棒を追ってやっとここまでたどり着いたんだろうな。」

「やけに執念深いんだね。」

「じゃあ、泥棒もその執念深さに負けて売りさばくのは諦め、ここに宝を隠したってことなんだろうか?」

「そのあたりのことは知らないけどな。
とにかく、先祖から伝わる家宝の宝石らしくって、アーロンさんの父親は死ぬ間際にアーロンさんに必ず宝石を見つけ出してほしいって頼んでいったらしい。
そんなわけだからあの人も必死なんだろうな。」

「サンダー、この宝石はその人には返さないか?
そんな執念深いおっさんに追い回されるのはごめんだぜ。」

「残念だが、返した所でアーロンさんは感謝はしないだろうな。
あんたらのことを泥棒同然に思ってる。
まぁ、どのみちやられるんだろうなぁ…」

「そんな馬鹿な…!!
私達は、お宝をみつけだしただけだよ!盗んだわけじゃない!
親父さん、なんとか私達が助かる方法はないのかい?」

「そうだな…
アーロンさんよりも腕の立つボディガードを雇うか、逃げ延びるかしかないだろうな。
ただ、アーロンさんの腕は生半可なもんじゃないから、雇うなら飛びっきり強い奴にしないとな。」

「そんな人、急にはみつからないよ!」

「だろうな…
じゃあ、あんたらに残された道は1つしかない。
とにかく逃げることだ。」

「畜生!
行くぞ、サンダー!」

「えっ?!行くって…どこへ?」

「知るかよ!」

「あ、待ってよ!」

店を飛び出したクリントをジェシカが追いかける。
クリントは裏通りを走り抜け、町の外へ出た。



「待ってよ、クリント。
一体、どこに行くつもりなのさ。」

「山を越える。
あのおっさんも、まさか俺達が山を越えるなんて思っちゃいないだろうからな。」

「え~~っ!またあの険しい山に行くのかい?」

「いやなら来なくて良いんだぜ。」

「行くよ、行くってば!」

クリントとジェシカは山を目指して歩き出した。 
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