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047. 大ピンチ!
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「リングイード、鍵なんてかけてどうしたの??」
僕は、昨夜はとうとう一睡も出来なかった。
時間が経つにつれて、事の重大さがより一層強く感じられた。
暗い部屋の片隅で丸くなって、僕は途方にくれていた。
扉を叩く音とその声から、訪ねて来たのはランザリーナだとわかった。
ランザリーナは、僕と同じ真っ白な羽根猫。
ちょっと気は強いけど、かなりの美人で僕の自慢の彼女。
「リングイード、いるんでしょう?
開けてちょうだい!」
僕はなにも答えなかった。
いくら大好きなランザリーナでも会いたくなかった。
「ひどいじゃないの!
どういうことよ!」
「わっ!ランザリーナ!!
どうしてここへ?!」
「馬鹿ね、普通の鍵なんてかけても、通過の魔法で壁をすりぬけて入ってこられるじゃないの!」
そうだった…
ランザリーナは、魔法の腕もたいしたもんなんだ。
「ねぇ、リングイーダ、なにかあったの?」
「な、何もないさ。」
「じゃあ、なんでこんな所にひきこもってるのよ。
何かあったんでしょう?」
「な、何もないって言ってるだろう!
うるさいな!」
「よく言うわ。
だいたいのことは見当がついてるのよ。
エンパナーダのことでしょう!」
「ど、どうしてそれを…?!」
「やっぱり、そうだったのね。
いつもだったら、朝から遊んでるエンパナーダが、昼を過ぎてもいないからおかしいと思ったのよ。
どうしたの?
エンパナーダと何かあったの?!」
「う……ランザリーナ…!!
大変なことになっちゃったんだ…
僕…どうしたら良いんだよ~!」
「リングイード、一体どうしたの?!」
情けないことに、エンパナーダの名前を聞いた僕は泣き出してしまっていた。
そして、心の中の荷物を吐き出すように、ランザリーナにすべてを話してしまっていた。
「な、なんですって!
あの封印の洞窟に…!
大変じゃないの!早く、長老に話さないと…!!」
「……でも、そんなこと話したら、僕達どんな罰を受ける事か…」
「あなたはそれだけのことをやってしまったんですもの。
どんな重い罰であれ、受けなきゃ仕方ないでしょう!」
「そんなぁ……」
僕は、昨夜はとうとう一睡も出来なかった。
時間が経つにつれて、事の重大さがより一層強く感じられた。
暗い部屋の片隅で丸くなって、僕は途方にくれていた。
扉を叩く音とその声から、訪ねて来たのはランザリーナだとわかった。
ランザリーナは、僕と同じ真っ白な羽根猫。
ちょっと気は強いけど、かなりの美人で僕の自慢の彼女。
「リングイード、いるんでしょう?
開けてちょうだい!」
僕はなにも答えなかった。
いくら大好きなランザリーナでも会いたくなかった。
「ひどいじゃないの!
どういうことよ!」
「わっ!ランザリーナ!!
どうしてここへ?!」
「馬鹿ね、普通の鍵なんてかけても、通過の魔法で壁をすりぬけて入ってこられるじゃないの!」
そうだった…
ランザリーナは、魔法の腕もたいしたもんなんだ。
「ねぇ、リングイーダ、なにかあったの?」
「な、何もないさ。」
「じゃあ、なんでこんな所にひきこもってるのよ。
何かあったんでしょう?」
「な、何もないって言ってるだろう!
うるさいな!」
「よく言うわ。
だいたいのことは見当がついてるのよ。
エンパナーダのことでしょう!」
「ど、どうしてそれを…?!」
「やっぱり、そうだったのね。
いつもだったら、朝から遊んでるエンパナーダが、昼を過ぎてもいないからおかしいと思ったのよ。
どうしたの?
エンパナーダと何かあったの?!」
「う……ランザリーナ…!!
大変なことになっちゃったんだ…
僕…どうしたら良いんだよ~!」
「リングイード、一体どうしたの?!」
情けないことに、エンパナーダの名前を聞いた僕は泣き出してしまっていた。
そして、心の中の荷物を吐き出すように、ランザリーナにすべてを話してしまっていた。
「な、なんですって!
あの封印の洞窟に…!
大変じゃないの!早く、長老に話さないと…!!」
「……でも、そんなこと話したら、僕達どんな罰を受ける事か…」
「あなたはそれだけのことをやってしまったんですもの。
どんな重い罰であれ、受けなきゃ仕方ないでしょう!」
「そんなぁ……」
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