Gift

ルカ(聖夜月ルカ)

文字の大きさ
上 下
295 / 697
045. ヤマタノオロチ

しおりを挟む
(な、な、なんだ!?こいつの目…燃えてるぞ!
もしかして、やっぱりすっごく危険な奴なんじゃあ…)

「お、俺はだな…うっ!」

ロディの手の平が剣四郎の口を塞いだ。

「剣四郎殿、わかっておるでござる!!」

「ふぁ、ふぁ、ふぁなふぇ!」

(なんだ、こいつ…?!
一体、なにがわかってるっていうんだ?
でも、聞いたらまた話が長引きそうだ…ここは話を合わせておくか…)

「そ、そうか…ならば話が早い!
では、俺は用があるのでな、さらばじゃ!」

「そんなつれないことを…拙者は剣四郎殿から離れませんぞ!!」

「なんでなんだよ!」

「……わかってるくせに…」

ロディの照れたような上目遣いに、剣四郎はおかしな誤解を妄想してたじろいだ。

(ま、ま、まさかこいつ…そういう趣味が…)

「ば、ばっきゃろー!
俺はノーマルだ!」

(ノーマル…?はて、剣四郎殿は一体何のことを申されておるのか?
もしかして、何かの隠語か?!
とにかく深く尋ねてはいけないようだな。)

「剣四郎殿、これからどこへ参るおつもりだったのですか?」

ロディは、にこやかな笑みを浮かべて話題を変えた。

「ど、どこって…」

「剣四郎殿、実は拙者はこれからヤマタノオロチを退治しに行く所だったのでござる!」

「ヤマタノオロチィ?」

(……やっぱり、こいつイカレてやがる。)

「そうか…それは大変だな!
でも、きっとおまえならやれるさ!
じゃ、頑張れよ!」

「何を申されるのです!
拙者が、ヤマタノオロチを退治する間、剣四郎には待っていていただきますぞ!
な~に、拙者にかかればヤマタノオロチなんてちょちょいのちょいでござる。
そんなに長い間、お待たせはいたしませぬ。」

「なんで、俺が待ってなきゃいけないんだ?!」

「それは…その…わかっておるのでござろう?」

(な、な、な、なんだ、こいつ!
一体、何のことを言ってるんだ?!
……はっ?!ま、ま、まさか…!!)
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

ラッキーアイテムお題短編集7

ルカ(聖夜月ルカ)
ファンタジー
オール1ページの超短編集です。

ラッキーアイテムお題短編集5

ルカ(聖夜月ルカ)
ファンタジー
ラッキーアイテムのお題で書いた短編集です。

赤い流れ星3

ルカ(聖夜月ルカ)
ファンタジー
美幸とシュウ、そして、野々村と和彦はどうなる!? 流れ星シリーズ、第3弾。完結編です。 時空の門をくぐったひかりとシュウ… お互いの記憶をなくした二人は…? 誤解ばかりですれ違う和彦と野々村は、一体どうなる? ※表紙画はくまく様に描いていただきました。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

ラッキーアイテムお題短編集6

ルカ(聖夜月ルカ)
ファンタジー
星座のラッキーアイテムをお題に書いた短編集です。

お礼(無謀)企画

ルカ(聖夜月ルカ)
ファンタジー
リクエストによるSS集です。 主にファンタジーになるはずです。 リクエスト、激しく募集中! ※表紙イラストはBy.ハチムラリン様です。m(__)m

💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活

XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。

「異世界ファンタジーで15+1のお題」四

ルカ(聖夜月ルカ)
ファンタジー
突然姿を消した友人を探し始めたセスは、不思議な世界に迷いこむ… 三の続編です。

処理中です...