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042. 錬金術
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「ユキーーーーーー!!!」
あたしが部屋でお笑いを見ながら寛いでいると、廊下を走るけたたましい足音と共に、おじいちゃんのものすごい大声が聞こえて来た。
でも、そんなことにあたしは動じない。
なぜって、このパターンはいつものことなのだから…
「ユ、ユキ!
なんじゃ、そのぼさーっとした顔は…!」
「ぼさっとしてて悪かったわね。
ところで、今日は何なの、おじいちゃん?」
「ユキ!!
お笑いなんぞ、見とる場合じゃないぞ!
良いか、落ちついてよく聞くのだ!
わしは…わしは、ついに不老不死の秘薬を完成させたのじゃ!
わしは今後21世紀の錬金術師と呼ばれ、わしの名は生涯、語り続けられることじゃろう!」
おじいちゃんは少年のように瞳をキラキラとさせながら、斜め45℃を見上げていた。
「そっかー。
それは良かったね!
その薬でお金が儲かったら、なにかおいしいもんでも食べさせてね!
そうね、焼肉で良いわ。
でも、特上だよ!」
あたしがテレビから目を話さずにそんなことを言ったのが気に食わなかったのか、突然、おじいちゃんの雷が落ちた。
「ユキーーーーーー!!」
鼓膜がじんじんする程の大声に、あたしは耳を押さえながらおじいちゃんの方を振り向いた。
「もう、おじいちゃんったら…
耳が痛いじゃない!」
「うるさい!
さ、早く、研究室へ来るんじゃ!」
どう考えてもうるさいのはおじいちゃんの方なんだけど…
そんな愚痴を心の中で呟きながら、私はおじいちゃんに手を引かれ、離れの研究室に向かった。
あたしが部屋でお笑いを見ながら寛いでいると、廊下を走るけたたましい足音と共に、おじいちゃんのものすごい大声が聞こえて来た。
でも、そんなことにあたしは動じない。
なぜって、このパターンはいつものことなのだから…
「ユ、ユキ!
なんじゃ、そのぼさーっとした顔は…!」
「ぼさっとしてて悪かったわね。
ところで、今日は何なの、おじいちゃん?」
「ユキ!!
お笑いなんぞ、見とる場合じゃないぞ!
良いか、落ちついてよく聞くのだ!
わしは…わしは、ついに不老不死の秘薬を完成させたのじゃ!
わしは今後21世紀の錬金術師と呼ばれ、わしの名は生涯、語り続けられることじゃろう!」
おじいちゃんは少年のように瞳をキラキラとさせながら、斜め45℃を見上げていた。
「そっかー。
それは良かったね!
その薬でお金が儲かったら、なにかおいしいもんでも食べさせてね!
そうね、焼肉で良いわ。
でも、特上だよ!」
あたしがテレビから目を話さずにそんなことを言ったのが気に食わなかったのか、突然、おじいちゃんの雷が落ちた。
「ユキーーーーーー!!」
鼓膜がじんじんする程の大声に、あたしは耳を押さえながらおじいちゃんの方を振り向いた。
「もう、おじいちゃんったら…
耳が痛いじゃない!」
「うるさい!
さ、早く、研究室へ来るんじゃ!」
どう考えてもうるさいのはおじいちゃんの方なんだけど…
そんな愚痴を心の中で呟きながら、私はおじいちゃんに手を引かれ、離れの研究室に向かった。
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