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038. 星の乙女
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「今日もまた恋の悩みみたいだぞ。
女は恋愛、男は金…皆、それしかないのかね。」
うんざりした様子で、キップの父親が呟いた。
「では、どうそ。お入り下さい。」
「はい。よろしくお願いします。」
「………!!」
キップの目が大きく見開かれ、身体が震えた。
そこに入って来たのは、あのネリネだったのだから…
「では、ご質問をどうぞ!」
「はい…実は、私…好きな人がいるんです。
知り合って、まだそんなに長いってわけではないんですが、なんだかものすごく好きなんです。
多分、初めて会った時から、その人のことが好きでした。
最近はけっこう親しく話せるようになっては来たんですが…でも、まだ私は、彼に気持ちを伝えてないんです。
伝えるのが怖いんです。
私の恋は、可能性がありますか?
それとも、伝えない方が良いんでしょうか?
アストレイヤ様、どうそ、お告げをよろしくお願いします。」
(そうか…ネリネはまだ告白はしてなかったんだな。
でも、あの様子じゃ断られるわけなんてない…
そうだ!…ここで、この恋は望みがないといえば、ネリネはあいつのことを諦めるんじゃないか?!)
キップは両手を組み、夜空に向かって一心に祈りを捧げている。
しばらくして、キップが顔を上げた。
「どうされました?」
いつもならすぐに父親の耳に囁かれるお告げが、囁かれないのだ。
「アストレイヤ様!」
しばらくして、キップは、やっと星からのお告げを告げた。
「この恋はうまくいきます。
彼もあなたのことを想っているそうです。
勇気を持って、積極的に行動しなさい…とのことです。」
「本当ですか!
ありがとうございます、アストレイヤ様!!」
ネリネは、弾けんばかりの笑顔でそう言うと、祠を出て行った。
(ネリネ…あんなに嬉しそうに…
やっぱり、嘘吐かなくてよかった…
そうだよな。俺は星の乙女だもんな。
嘘の預言なんて言えないさ。
それに、ネリネが幸せになってくれるなら…うん。それで良いさ。)
女は恋愛、男は金…皆、それしかないのかね。」
うんざりした様子で、キップの父親が呟いた。
「では、どうそ。お入り下さい。」
「はい。よろしくお願いします。」
「………!!」
キップの目が大きく見開かれ、身体が震えた。
そこに入って来たのは、あのネリネだったのだから…
「では、ご質問をどうぞ!」
「はい…実は、私…好きな人がいるんです。
知り合って、まだそんなに長いってわけではないんですが、なんだかものすごく好きなんです。
多分、初めて会った時から、その人のことが好きでした。
最近はけっこう親しく話せるようになっては来たんですが…でも、まだ私は、彼に気持ちを伝えてないんです。
伝えるのが怖いんです。
私の恋は、可能性がありますか?
それとも、伝えない方が良いんでしょうか?
アストレイヤ様、どうそ、お告げをよろしくお願いします。」
(そうか…ネリネはまだ告白はしてなかったんだな。
でも、あの様子じゃ断られるわけなんてない…
そうだ!…ここで、この恋は望みがないといえば、ネリネはあいつのことを諦めるんじゃないか?!)
キップは両手を組み、夜空に向かって一心に祈りを捧げている。
しばらくして、キップが顔を上げた。
「どうされました?」
いつもならすぐに父親の耳に囁かれるお告げが、囁かれないのだ。
「アストレイヤ様!」
しばらくして、キップは、やっと星からのお告げを告げた。
「この恋はうまくいきます。
彼もあなたのことを想っているそうです。
勇気を持って、積極的に行動しなさい…とのことです。」
「本当ですか!
ありがとうございます、アストレイヤ様!!」
ネリネは、弾けんばかりの笑顔でそう言うと、祠を出て行った。
(ネリネ…あんなに嬉しそうに…
やっぱり、嘘吐かなくてよかった…
そうだよな。俺は星の乙女だもんな。
嘘の預言なんて言えないさ。
それに、ネリネが幸せになってくれるなら…うん。それで良いさ。)
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