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035. 廃坑の秘密
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ロッシーが仲間に加わってからというもの、僕らの旅は少しずつ変化していた。
行く先々でロッシーは商売をする。
日常品だけではなく、珍しいものをみつけてはそれを違う町で売る。
それがけっこう儲かるみたい。
ケンタロウがロッシーの脇にいるのを見たら、持ち逃げしようなんて考える者はいなくなった。
足の早さでケンタロウに勝てる者なんていないんだから。
ケンタロウはロッシーの店を手伝うようになってからずいぶん変わった。
元々気が短くて怒りっぽい性格だったのが、ロッシーに感化されたのか、いろんなお客と関わることが多くなったせいなのか、前みたいにすぐ怒らないようになったし、たまには冗談を言うようにまでになった。
自分が変われば周りも変わるってよく言われるけど、本当にその通りで、今までは珍しがられてもどちらかというと嫌がられることの多かったケンタロウが、最近ではお客から気軽に声をかけられるようになったんだ。
先日、人間の子供がケンタロウに近寄って来て、「お馬さん」って言いながらケンタロウの毛並みを撫でた。
その様子を見て僕はケンタロウが怒りだすんじゃないかってハラハラしたんだけど、ケンタロウは少しも怒る事なく、その子供を抱えて背中に乗せたんだ。
子供のその親もとても嬉しそうな顔をしていた。
その晩、僕は気になってそのことについて尋ねてみた。
そしたら、ケンタロウは言ったんだ。
子供には悪気はないってことがやっとわかったんだって。
子供は半獣人のことを知らないから馬と間違えるのは仕方のないことで、それは、差別じゃなくて素直な気持ちなんだって。
なんだかそんなケンタロウが僕にはちょっと眩しく見えた。
僕は、ロッシーと旅をするようになっても少しも変わらない。
ロッシーやケンタロウを見て寄って来たお客も、僕が近くにいたら眉をひそめて離れて行く。
だから、僕は商売の時にはいつも離れた場所で待ってるんだ。
僕がいたら商売の邪魔になるからね…
行く先々でロッシーは商売をする。
日常品だけではなく、珍しいものをみつけてはそれを違う町で売る。
それがけっこう儲かるみたい。
ケンタロウがロッシーの脇にいるのを見たら、持ち逃げしようなんて考える者はいなくなった。
足の早さでケンタロウに勝てる者なんていないんだから。
ケンタロウはロッシーの店を手伝うようになってからずいぶん変わった。
元々気が短くて怒りっぽい性格だったのが、ロッシーに感化されたのか、いろんなお客と関わることが多くなったせいなのか、前みたいにすぐ怒らないようになったし、たまには冗談を言うようにまでになった。
自分が変われば周りも変わるってよく言われるけど、本当にその通りで、今までは珍しがられてもどちらかというと嫌がられることの多かったケンタロウが、最近ではお客から気軽に声をかけられるようになったんだ。
先日、人間の子供がケンタロウに近寄って来て、「お馬さん」って言いながらケンタロウの毛並みを撫でた。
その様子を見て僕はケンタロウが怒りだすんじゃないかってハラハラしたんだけど、ケンタロウは少しも怒る事なく、その子供を抱えて背中に乗せたんだ。
子供のその親もとても嬉しそうな顔をしていた。
その晩、僕は気になってそのことについて尋ねてみた。
そしたら、ケンタロウは言ったんだ。
子供には悪気はないってことがやっとわかったんだって。
子供は半獣人のことを知らないから馬と間違えるのは仕方のないことで、それは、差別じゃなくて素直な気持ちなんだって。
なんだかそんなケンタロウが僕にはちょっと眩しく見えた。
僕は、ロッシーと旅をするようになっても少しも変わらない。
ロッシーやケンタロウを見て寄って来たお客も、僕が近くにいたら眉をひそめて離れて行く。
だから、僕は商売の時にはいつも離れた場所で待ってるんだ。
僕がいたら商売の邪魔になるからね…
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