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ルカ(聖夜月ルカ)

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034. 迷いの森の守護者

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(ここは、こんなに広かったのか…)



エルミナの働きにより、祠の床は姿が映るほどに磨き上げられ、あの不気味なきのこも当然その姿を消した。
その時点で出たゴミだけでも一山あり、エルミナはそれらを全て焼いて処分した。

次に、要る物と要らない物を仕分けしていく。
これがまた手間のかかる作業だった。
箱の中に納められたものを1つ1つ開けて確かめていくのだが、なぜこんなものが?と思われるようなくだらないものがほとんどだった。
必要な物は祠の中に戻し、要らない物はまとまったら焼却する…
来る日も来る日も同じ作業を続けているうちに、またも数ヶ月の月日が流れた…



(あぁ、一体、ここの荷物はどれだけあるんだ…
しかも、そのほとんどが不用品…なんてことだ…
でも、あと、少しだ!)

必要な物とされたのは、外に運び出したもののうち10分の1にも満たなかった。
残る荷物はあと少し。
おそらく、今日中には片付くだろうと思われた。
一年近くかかった大作業が今日で終わる…
そう思うと、いつもにも増してやる気がみなぎった。

また、いつものように荷物を開けて中を確認していく…
エルミナの手が、最後の箱を開けた時、彼の動きが停まった。



(こ…これは……!!)



箱の中から、エルミナが大切そうに取り出したものは、水色の丸いものだった。




(これは、水龍の卵だ!
数千年前に行方不明になったというあの水龍の卵に違いない!)



エルミナは、注意深くその卵を自分の脇に置いてじっとみつめる。
そして、水龍の卵にまつわる話を思い出していた。

その昔、ある出来事から水龍を助けた妖精達が、そのお礼と友情の証にと水龍の卵を受け取った。
妖精達は、迷いの森に湖を作りそこで卵を孵らせ、大切に育てる約束をした。
約束通り、妖精達は、早速、湖を掘り始めたが、あと少しで完成という頃、悪い魔物が迷いの森に棲みついた。
その魔物討伐のため長い闘いの年月が過ぎ、確か、その間に卵が行方不明になってしまったということだった。
おそらく、卵は魔物に奪い去られてしまったのだろうということで話は落ちついていたのだが、まさか祠の中にあったなんて…



(大変だ!早く、このことを長老様にお知らせしなくては…!!)

エルミナは、早速、龍の卵を布切れに包み、歩き出した。
しかし、ほんの数歩歩いた所で、エルミナの足がぴたりと止まる…
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