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029. 外つ国の遺産(とつくにのいさん)
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「だ、誰か……」
ルドラの国に着いた次の日…
チャックは、高熱に冒された。
体の丈夫さには自信を持っていただけに、チャックは薬は持っていなかった。
自分の体調の悪さを伝えようにも、薬屋の場所を探そうにも、ルドラでは言葉が通じず、チャックは木陰で休むことしか出来なかった。
(困ったな…僕は、こっちで働くつもりだったから、お金もそう持って来てないし…
そうだ…町に行って教会を探してみよう。
教会ならきっとなんとかしてくれるはずだ。)
熱に浮かされながら、チャックは町を探しに出かけた。
街道沿いに歩いて行けば、きっと町に辿り着くとチャックは考えてたが、なかなか町には辿り着かない。
その間にもチャックの体力は奪われ、おぼつかない足取りでチャックは歩き続けた。
(喉が渇いた…水が飲みたい…)
街道をはずれた方向に、深い森が見えた。
森の中には、泉があるかもしれない。
そう考えたチャックは、森の中をふらふらと進んで行った。
しばらく進んでも、泉はみつからない。
だが、チャックは半ば意地になって、森の中を彷徨い続けた。
(あ…泉だ……)
チャックはようやく泉を発見した。
清らかで澄み切った水をたたえた大きな泉だ。
冷たい水を両手ですくい、喉に流し込むと、とても気分が良くなった。
チャックは、さらに水をすくって飲んだ。
その時…チャックは泉の底になにかがあることに気が付いた。
水を掬う手を止め、水面が静かにおさまるのを待った。
(あれは……)
泉の底に見えたのは、神殿のようなものや住居のようなものだった。
チャックは、頭を水の中に突っ込んで、さらにその光景を見てみた。
(す、すごい…!
確かに建物だ!
水の中に、なぜ、そんなものが…!)
チャックは好奇心を刺激され、具合が悪かったことも忘れて、水の中の町を何度ものぞき見た。
そのうちに我慢できなくなり、チャックは服を脱ぎ、水の中に飛び込んだ。
泳ぎが得意というわけではなかったが、泳げないわけではない。
だが、体調が悪かったせいか、チャックは突如、足が動かなくなった。
水の中で、チャックはもがく。
しかし、もがけばもがくほど、チャックの体は麻痺していった。
(だ、誰か…たす…けて…!)
じわじわと奥底に沈んでいきながら、チャックは意識を失った。
「だ、誰か……」
ルドラの国に着いた次の日…
チャックは、高熱に冒された。
体の丈夫さには自信を持っていただけに、チャックは薬は持っていなかった。
自分の体調の悪さを伝えようにも、薬屋の場所を探そうにも、ルドラでは言葉が通じず、チャックは木陰で休むことしか出来なかった。
(困ったな…僕は、こっちで働くつもりだったから、お金もそう持って来てないし…
そうだ…町に行って教会を探してみよう。
教会ならきっとなんとかしてくれるはずだ。)
熱に浮かされながら、チャックは町を探しに出かけた。
街道沿いに歩いて行けば、きっと町に辿り着くとチャックは考えてたが、なかなか町には辿り着かない。
その間にもチャックの体力は奪われ、おぼつかない足取りでチャックは歩き続けた。
(喉が渇いた…水が飲みたい…)
街道をはずれた方向に、深い森が見えた。
森の中には、泉があるかもしれない。
そう考えたチャックは、森の中をふらふらと進んで行った。
しばらく進んでも、泉はみつからない。
だが、チャックは半ば意地になって、森の中を彷徨い続けた。
(あ…泉だ……)
チャックはようやく泉を発見した。
清らかで澄み切った水をたたえた大きな泉だ。
冷たい水を両手ですくい、喉に流し込むと、とても気分が良くなった。
チャックは、さらに水をすくって飲んだ。
その時…チャックは泉の底になにかがあることに気が付いた。
水を掬う手を止め、水面が静かにおさまるのを待った。
(あれは……)
泉の底に見えたのは、神殿のようなものや住居のようなものだった。
チャックは、頭を水の中に突っ込んで、さらにその光景を見てみた。
(す、すごい…!
確かに建物だ!
水の中に、なぜ、そんなものが…!)
チャックは好奇心を刺激され、具合が悪かったことも忘れて、水の中の町を何度ものぞき見た。
そのうちに我慢できなくなり、チャックは服を脱ぎ、水の中に飛び込んだ。
泳ぎが得意というわけではなかったが、泳げないわけではない。
だが、体調が悪かったせいか、チャックは突如、足が動かなくなった。
水の中で、チャックはもがく。
しかし、もがけばもがくほど、チャックの体は麻痺していった。
(だ、誰か…たす…けて…!)
じわじわと奥底に沈んでいきながら、チャックは意識を失った。
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