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027. 昏き理(くらきことわり)
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私達は食べ終わった後も、その店で他愛ない話を続け、気が付けば店に入ってから3時間近い時間が経っていた。
「あ、もうこんな時間!
ごめんなさい。つい話し込んでしまって…」
「こっちこそごめんね。
それにありがとう!
おごってもらった上に……すごく楽しかった。」
「そんな…こっちこそすごく楽しかったです。
本当にありがとうございました。」
私が頭を下げ立ち上がろうとすると、彼が私の腕を取った。
「あ、あの…
また会ってもらえないかな?」
「え…?」
「あ、ごめん。迷惑だったら気にしないで。」
「迷惑だなんてそんなこと…
すごく嬉しいです!」
彼は安心したような顔をして微笑み、私達は名前とメアドを交換して別れた。
本当は名前なんてとっくに知ってた…
それどころか家も知ってる…
帰りのバスの中でメールが鳴った。
思った通り、彼からのメールだった。
さっきのお礼と、そして、また明日会えないかという誘いのメールだった。
今、別れたばかりだというのにまた明日会いたいだなんて、よほど私のことを気に入ったに違いない。
もしくは、女の友達が今までいなかったのか…
私はすぐには返信せず、1時間ほどしてから承諾の返信をした。
彼からはすぐに返信が来た。
とても喜んでいるようで、文面の最後には笑顔とピースサインの絵文字が入っていた。
そして私達は次の日もまたその次の日も、あの場所で待ち合わせ、そしてあのファーストフード店で長い間、話をした。
「水青、土曜日のことなんだけど…」
「あ、玲ちゃん、ごめん…その話なんだけど…」
「大丈夫だって!
私もついていってあげるから!
それにね、けっこう格好良い子なんだよ!
水青も会えばきっと気にいるよ。」
「あのね、玲ちゃん…
ものすごく突然なんだけど…私、彼が出来たんだ…」
「うそっ!」
「嘘じゃないよぅ~!」
私は彼と一緒に撮った写メを見せた。
「マジィ~!?水青、あんた、一体いつの間に?」
「偶然だったのよ。」
私は彼との出会いを話した。
もちろん、わざと携帯を落としたなんて言わないけど…
「そっか…そういうことなら、仕方ないね。
残念だけど…」
結局、その子とは可奈が会うことになったようだ。
やっぱり…
「イイ人」を紹介するのは誰でも良いんだ。
「あ、もうこんな時間!
ごめんなさい。つい話し込んでしまって…」
「こっちこそごめんね。
それにありがとう!
おごってもらった上に……すごく楽しかった。」
「そんな…こっちこそすごく楽しかったです。
本当にありがとうございました。」
私が頭を下げ立ち上がろうとすると、彼が私の腕を取った。
「あ、あの…
また会ってもらえないかな?」
「え…?」
「あ、ごめん。迷惑だったら気にしないで。」
「迷惑だなんてそんなこと…
すごく嬉しいです!」
彼は安心したような顔をして微笑み、私達は名前とメアドを交換して別れた。
本当は名前なんてとっくに知ってた…
それどころか家も知ってる…
帰りのバスの中でメールが鳴った。
思った通り、彼からのメールだった。
さっきのお礼と、そして、また明日会えないかという誘いのメールだった。
今、別れたばかりだというのにまた明日会いたいだなんて、よほど私のことを気に入ったに違いない。
もしくは、女の友達が今までいなかったのか…
私はすぐには返信せず、1時間ほどしてから承諾の返信をした。
彼からはすぐに返信が来た。
とても喜んでいるようで、文面の最後には笑顔とピースサインの絵文字が入っていた。
そして私達は次の日もまたその次の日も、あの場所で待ち合わせ、そしてあのファーストフード店で長い間、話をした。
「水青、土曜日のことなんだけど…」
「あ、玲ちゃん、ごめん…その話なんだけど…」
「大丈夫だって!
私もついていってあげるから!
それにね、けっこう格好良い子なんだよ!
水青も会えばきっと気にいるよ。」
「あのね、玲ちゃん…
ものすごく突然なんだけど…私、彼が出来たんだ…」
「うそっ!」
「嘘じゃないよぅ~!」
私は彼と一緒に撮った写メを見せた。
「マジィ~!?水青、あんた、一体いつの間に?」
「偶然だったのよ。」
私は彼との出会いを話した。
もちろん、わざと携帯を落としたなんて言わないけど…
「そっか…そういうことなら、仕方ないね。
残念だけど…」
結局、その子とは可奈が会うことになったようだ。
やっぱり…
「イイ人」を紹介するのは誰でも良いんだ。
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