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ルカ(聖夜月ルカ)

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022. 日常風景

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つきあい始めてから、彼への評価は特にあがりも下がりもしていない。
よく一緒にいると愛着がわくという人がいるけれど、確かにそういうものは多少芽生えて来ているかもしれない。
でも、それだけのこと。
「愛情」という感情とは明らかに違う…

咲也のことは元々嫌いなわけではない。
でも、特に好きというわけでもない。

彼が、あの人の弟じゃなかったら、つきあってはいない…



咲也の家で、あの人を何度か見た。
どれもほんの一瞬のこと。
それなのに、私の胸の鼓動は、その音が外に聞こえるんじゃないかと思う程、大きく高鳴った。

それは、きっと、あの人が私の運命の人だから…



私が咲也の家に行った時、あの人がリビングにいたことがあった。

でも、一瞬、こっちをチラッと見ただけで、何も言わずに部屋にひきこもってしまう。

私も、あの人の姿を目で捕えたらすぐに下を向いてしまうから、あの人は私の顔もろくにはわかってないと思う。

それで良い。
今は、それで…

その時が来るまでは、今のままで良い…



「水青ってば、聞いてる?
お~い!起きてますかぁ?」

咲也が私の目の前に片手を差し出してチラチラさせる。

「なによ~!ちゃんと聞いてるよ!」



……嘘。
実は、全然、聞いてなかった。
あの人のことを考えてたら、咲也の声は耳に入らなかった。



「じゃ、何時にする?」

「咲也に任せる。」

「何時でも良いの?
じゃ、朝の5時!」

「よく言うよ!
そんな時間になんて起きられないくせに…」

「水青のためなら起きられる!」

「そうなんだ。
じゃ、朝の5時ね!」

「えーーーっ!マジ?」

「……嘘。」

「もう、なんだよ~っ!!」



屈託のない顔をして笑う咲也…
きっと善い人なんだ。
この笑顔にはそれなりに癒される。



でも、私が求めてるのは、癒しじゃないから… 

 
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