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021. 奇跡
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「どこに隠れようかなぁ…?」
とりあえず時間は10分しかない。
前半の5分間は、なるべく世夜から離れた場所へ移動するために使った。
しかし、そのせいで羊はショッピングセンターのはずれの方まで来てしまってた。
中心部とは違い、このあたりは店の数も少なく人影もまばらだ。
ここでは却ってみつかりやすいかもしれない…
「ちょっと走りすぎたのねん…」
少し戻ろうかとも考えたが、今更そんなことをしていると隠れ場所を探す時間がなくなってしまう。
このあたりで探した方が良さそうだと羊は考え、あたりを見渡す。
「……あ!」
羊が突然走り出した。
そこは、倉庫らしき建物。
鍵がかかっていない所を見ると、そう大切なものは入っていないのだろう。
中には、何かのキャンペーンで使われたのか、どうぶつの着ぐるみや看板、そして中身のわからないダンボールが堆く積み上げられていた。
(ここなら物がいっぱいだから隠れやすそうなのん。
それに冷房が入ってないから、きっと世夜はそんなに一生懸命探さずすぐに出ていくはずなのねん。)
最初は、着ぐるみをかぶろうかとも考えたが、そんなことをしたら自分の方が暑さで参ってしまいそうだと思い直し、羊は隠れ場所を探して倉庫の中を歩いた。
倉庫の中は蒸し暑く、羊の額から大粒の汗が滴って来る。
こんな所でじっと隠れてるのはかなり辛そうだと感じたが、どう考えても今更違う場所を探す時間はない。
時計を見ると、すでに10分は過ぎていた。
世夜はもうあの場所を離れ、羊を探し始めてるはずだ。
(急がなきゃやばいのねん。)
そんな時、倉庫の入口付近に人の気配を感じた羊は、あわてて倉庫の奥へ走り物陰に隠れた。
(まさか世夜じゃないとは思うけど…とにかく早くどこかにちゃんと隠れないとやばいのねん!)
その時、羊の目に飛び込んだのは突き当たりの壁の青い扉だった。
いかにもその場には不釣合いな青い扉は、羊が頭を下げないと入れないくらいに小さなものだ。
(そうだ!一旦、外に出るのねん!)
羊は、青い扉を開け外へ飛び出した。
とりあえず時間は10分しかない。
前半の5分間は、なるべく世夜から離れた場所へ移動するために使った。
しかし、そのせいで羊はショッピングセンターのはずれの方まで来てしまってた。
中心部とは違い、このあたりは店の数も少なく人影もまばらだ。
ここでは却ってみつかりやすいかもしれない…
「ちょっと走りすぎたのねん…」
少し戻ろうかとも考えたが、今更そんなことをしていると隠れ場所を探す時間がなくなってしまう。
このあたりで探した方が良さそうだと羊は考え、あたりを見渡す。
「……あ!」
羊が突然走り出した。
そこは、倉庫らしき建物。
鍵がかかっていない所を見ると、そう大切なものは入っていないのだろう。
中には、何かのキャンペーンで使われたのか、どうぶつの着ぐるみや看板、そして中身のわからないダンボールが堆く積み上げられていた。
(ここなら物がいっぱいだから隠れやすそうなのん。
それに冷房が入ってないから、きっと世夜はそんなに一生懸命探さずすぐに出ていくはずなのねん。)
最初は、着ぐるみをかぶろうかとも考えたが、そんなことをしたら自分の方が暑さで参ってしまいそうだと思い直し、羊は隠れ場所を探して倉庫の中を歩いた。
倉庫の中は蒸し暑く、羊の額から大粒の汗が滴って来る。
こんな所でじっと隠れてるのはかなり辛そうだと感じたが、どう考えても今更違う場所を探す時間はない。
時計を見ると、すでに10分は過ぎていた。
世夜はもうあの場所を離れ、羊を探し始めてるはずだ。
(急がなきゃやばいのねん。)
そんな時、倉庫の入口付近に人の気配を感じた羊は、あわてて倉庫の奥へ走り物陰に隠れた。
(まさか世夜じゃないとは思うけど…とにかく早くどこかにちゃんと隠れないとやばいのねん!)
その時、羊の目に飛び込んだのは突き当たりの壁の青い扉だった。
いかにもその場には不釣合いな青い扉は、羊が頭を下げないと入れないくらいに小さなものだ。
(そうだ!一旦、外に出るのねん!)
羊は、青い扉を開け外へ飛び出した。
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