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ルカ(聖夜月ルカ)

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015. ヒーロー養成ギプス

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「そのようね…
でも、それは私のせいじゃないから…!
そうそう、あの約束は守ってもらうわよ!」

「約束…あぁ、現実の彼氏のことね。
わかってるよ。
じゃあ、これ…」

蝶ネクタイのウサギは、赤い包み紙のキャンディをリンダの前に差し出した。



「何、これ?」

「魔法のキャンディ…なんちゃって。
じゃあ、ボクはスカウトに行かなきゃならないから…」

そう言って、ウサギは空気の中に掻き消えた…



「あ!ちょっと…
このキャンディ…」



リンダの声はウサギには届かなかった。



(う~~っ!あのウサギの奴、いいかげんなことを…
何が魔法のキャンディだ!
真面目にやって損した!
でも…ま、いっか…
おかげでフィリップはマッチョにならなくてすんだんだから…)



*****



次の朝、目が覚めたのはソファの上だった。

(あ…私ったら、あのまま眠っちゃったんだ…!)

リンダが立ち上がった時、小さなものがぽとんと落ちた。



「あっっ!」

リンダが目にしたものは、赤いキャンディだった。



(な…なんで夢の中で見たあのキャンディが…?)

不思議に思いながらも、リンダはそのキャンディを口の中に放りこんだ。
キャンディはイチゴのような香りのする甘酸っぱいものだった。



(きっと、前に私が買ったやつがどこかに紛れこんでたんだわ。
そうよ、そうに決まってる!
あぁ、久しぶりの甘い物…おいしいわ…!
そうだ!今日はひさしぶりに甘い物を食べに行こう!
もう我慢なんてすることないんだもんねぇから!
先週、新しく出来た隣町のカフェ!あそこ、すごくおいしいケーキがあるって言ってたな…
そうだ、あそこに行ってみようっと!)

リンダは、早速出かける準備をし、隣町に向かった。
お目当てのカフェにはすでに大勢の人が並んでいた。



(噂通り、人気があるのね…
売りきれにならなきゃ良いけど…)



一時間程並び、やっとそろそろ自分の番が来たと思った時、ケーキが終了したと店員が伝えて来た。
並んでいた人々は文句を言いながら、ぱらぱらとその場を去って行く。



「そ、そんなひどいわ!こんなに長い間並んでたのに!
ケーキはもう1つもないの?」

「あとはラブケーキ1つのみになりますので…」

「ラブケーキって何?」

「カップル様用のケーキセットです。」

リンダの前後には一人で来ている者や女性同士のグループ、親子連れ等ばかりでカップルらしき者はいなかった。
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