93 / 697
015. ヒーロー養成ギプス
7
しおりを挟む
「そのようね…
でも、それは私のせいじゃないから…!
そうそう、あの約束は守ってもらうわよ!」
「約束…あぁ、現実の彼氏のことね。
わかってるよ。
じゃあ、これ…」
蝶ネクタイのウサギは、赤い包み紙のキャンディをリンダの前に差し出した。
「何、これ?」
「魔法のキャンディ…なんちゃって。
じゃあ、ボクはスカウトに行かなきゃならないから…」
そう言って、ウサギは空気の中に掻き消えた…
「あ!ちょっと…
このキャンディ…」
リンダの声はウサギには届かなかった。
(う~~っ!あのウサギの奴、いいかげんなことを…
何が魔法のキャンディだ!
真面目にやって損した!
でも…ま、いっか…
おかげでフィリップはマッチョにならなくてすんだんだから…)
*****
次の朝、目が覚めたのはソファの上だった。
(あ…私ったら、あのまま眠っちゃったんだ…!)
リンダが立ち上がった時、小さなものがぽとんと落ちた。
「あっっ!」
リンダが目にしたものは、赤いキャンディだった。
(な…なんで夢の中で見たあのキャンディが…?)
不思議に思いながらも、リンダはそのキャンディを口の中に放りこんだ。
キャンディはイチゴのような香りのする甘酸っぱいものだった。
(きっと、前に私が買ったやつがどこかに紛れこんでたんだわ。
そうよ、そうに決まってる!
あぁ、久しぶりの甘い物…おいしいわ…!
そうだ!今日はひさしぶりに甘い物を食べに行こう!
もう我慢なんてすることないんだもんねぇから!
先週、新しく出来た隣町のカフェ!あそこ、すごくおいしいケーキがあるって言ってたな…
そうだ、あそこに行ってみようっと!)
リンダは、早速出かける準備をし、隣町に向かった。
お目当てのカフェにはすでに大勢の人が並んでいた。
(噂通り、人気があるのね…
売りきれにならなきゃ良いけど…)
一時間程並び、やっとそろそろ自分の番が来たと思った時、ケーキが終了したと店員が伝えて来た。
並んでいた人々は文句を言いながら、ぱらぱらとその場を去って行く。
「そ、そんなひどいわ!こんなに長い間並んでたのに!
ケーキはもう1つもないの?」
「あとはラブケーキ1つのみになりますので…」
「ラブケーキって何?」
「カップル様用のケーキセットです。」
リンダの前後には一人で来ている者や女性同士のグループ、親子連れ等ばかりでカップルらしき者はいなかった。
でも、それは私のせいじゃないから…!
そうそう、あの約束は守ってもらうわよ!」
「約束…あぁ、現実の彼氏のことね。
わかってるよ。
じゃあ、これ…」
蝶ネクタイのウサギは、赤い包み紙のキャンディをリンダの前に差し出した。
「何、これ?」
「魔法のキャンディ…なんちゃって。
じゃあ、ボクはスカウトに行かなきゃならないから…」
そう言って、ウサギは空気の中に掻き消えた…
「あ!ちょっと…
このキャンディ…」
リンダの声はウサギには届かなかった。
(う~~っ!あのウサギの奴、いいかげんなことを…
何が魔法のキャンディだ!
真面目にやって損した!
でも…ま、いっか…
おかげでフィリップはマッチョにならなくてすんだんだから…)
*****
次の朝、目が覚めたのはソファの上だった。
(あ…私ったら、あのまま眠っちゃったんだ…!)
リンダが立ち上がった時、小さなものがぽとんと落ちた。
「あっっ!」
リンダが目にしたものは、赤いキャンディだった。
(な…なんで夢の中で見たあのキャンディが…?)
不思議に思いながらも、リンダはそのキャンディを口の中に放りこんだ。
キャンディはイチゴのような香りのする甘酸っぱいものだった。
(きっと、前に私が買ったやつがどこかに紛れこんでたんだわ。
そうよ、そうに決まってる!
あぁ、久しぶりの甘い物…おいしいわ…!
そうだ!今日はひさしぶりに甘い物を食べに行こう!
もう我慢なんてすることないんだもんねぇから!
先週、新しく出来た隣町のカフェ!あそこ、すごくおいしいケーキがあるって言ってたな…
そうだ、あそこに行ってみようっと!)
リンダは、早速出かける準備をし、隣町に向かった。
お目当てのカフェにはすでに大勢の人が並んでいた。
(噂通り、人気があるのね…
売りきれにならなきゃ良いけど…)
一時間程並び、やっとそろそろ自分の番が来たと思った時、ケーキが終了したと店員が伝えて来た。
並んでいた人々は文句を言いながら、ぱらぱらとその場を去って行く。
「そ、そんなひどいわ!こんなに長い間並んでたのに!
ケーキはもう1つもないの?」
「あとはラブケーキ1つのみになりますので…」
「ラブケーキって何?」
「カップル様用のケーキセットです。」
リンダの前後には一人で来ている者や女性同士のグループ、親子連れ等ばかりでカップルらしき者はいなかった。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
赤い流れ星3
ルカ(聖夜月ルカ)
ファンタジー
美幸とシュウ、そして、野々村と和彦はどうなる!?
流れ星シリーズ、第3弾。完結編です。
時空の門をくぐったひかりとシュウ…
お互いの記憶をなくした二人は…?
誤解ばかりですれ違う和彦と野々村は、一体どうなる?
※表紙画はくまく様に描いていただきました。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活
XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる