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015. ヒーロー養成ギプス
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ウサギは、フィリップの間近に近寄り、フィリップの全身をまじまじと観察している。
「うん、良いね。
少し改良すれば、これならきっとすごいヒーローになれる!」
「ヒーロー?
勝手なこと言ってるんじゃないわよ!
フィリップは私だけの彼氏!
それだけなの!
ヒーローなんて、とんでもないわ!」
ウサギは、胸ポケットから大きな器具を取りだし、それを重そうに抱えるとリンダの前に差し出した。
「な、な、何なのよ、これ!
それに、なんでこんな大きなものが胸ポケットに…」
「だから~…ここは脳内なんだから…
とにかく、フィリップはもう少し鍛えてがっしりしたタイプにしよう!
で、髪の色と髪型を変えて…」
「もうっ!!
勝手な事言わないでって言ってるでしょう?
私はマッチョは大嫌いなの!
フィリップは、芸術家タイプだからこのままが良いのよ!」
「違うって!
フィリップを鍛えてヒーローにぴったりなキャラを作ったらそれをサムに送るんだ!
もちろん、そのキャラは名前もフィリップじゃなくなるし、鍛えるのをやめたらじきにフィリップは元の身体つきに戻るから。」
「……あんたの言ってること、よくわからないし…」
「困った人だね。よく聞いてよね!
最近は、想像力のない子が増えて来てるわけ。
で、そういう子がボクに向かって良く言うんだ。
『ひらめきの神様!アイディアを下さい!』ってね。
中でも、サムって子は、ヒーローものの小説を書きたいって思ってるんだけど、そのヒーローキャラがどうしても浮かばないんだよ。
で、毎日、ボクに祈って来るんだ。
そりゃあもうしつこくってさ。
それで、ヒーローに適役なキャラがいないかと脳内世界をいろいろ探してたら、フィリップをみつけたってわけなんだ。
……わかった?」
リンダは、首をかしげながら固まっていた。
「もうっ!わかんない人だね、君は。
とにかく、このヒーロー養成ギプスをフィリップに着けさせて。
書いてあるトレーニングメニューをこなして、あと、食事も食べて良いもの、悪いものが書いてあるからその通りにやってね。
ちゃんとやってるかどうかは、このグラフに表示されるから、騙せないよ。
2ヶ月で終了だから、頑張って!」
「ちょっと待った!
言ったでしょ?
私はそんなことしないって!
なんでそんなことしなきゃならないのよ。
馬鹿馬鹿しい!
それに、何?
あなたがひらめきの神様?そんなこと信じられないわ。
さ、フィリップ、行きましょう!」
リンダはフィリップの腕を取って立ち去ろうとした。
「うん、良いね。
少し改良すれば、これならきっとすごいヒーローになれる!」
「ヒーロー?
勝手なこと言ってるんじゃないわよ!
フィリップは私だけの彼氏!
それだけなの!
ヒーローなんて、とんでもないわ!」
ウサギは、胸ポケットから大きな器具を取りだし、それを重そうに抱えるとリンダの前に差し出した。
「な、な、何なのよ、これ!
それに、なんでこんな大きなものが胸ポケットに…」
「だから~…ここは脳内なんだから…
とにかく、フィリップはもう少し鍛えてがっしりしたタイプにしよう!
で、髪の色と髪型を変えて…」
「もうっ!!
勝手な事言わないでって言ってるでしょう?
私はマッチョは大嫌いなの!
フィリップは、芸術家タイプだからこのままが良いのよ!」
「違うって!
フィリップを鍛えてヒーローにぴったりなキャラを作ったらそれをサムに送るんだ!
もちろん、そのキャラは名前もフィリップじゃなくなるし、鍛えるのをやめたらじきにフィリップは元の身体つきに戻るから。」
「……あんたの言ってること、よくわからないし…」
「困った人だね。よく聞いてよね!
最近は、想像力のない子が増えて来てるわけ。
で、そういう子がボクに向かって良く言うんだ。
『ひらめきの神様!アイディアを下さい!』ってね。
中でも、サムって子は、ヒーローものの小説を書きたいって思ってるんだけど、そのヒーローキャラがどうしても浮かばないんだよ。
で、毎日、ボクに祈って来るんだ。
そりゃあもうしつこくってさ。
それで、ヒーローに適役なキャラがいないかと脳内世界をいろいろ探してたら、フィリップをみつけたってわけなんだ。
……わかった?」
リンダは、首をかしげながら固まっていた。
「もうっ!わかんない人だね、君は。
とにかく、このヒーロー養成ギプスをフィリップに着けさせて。
書いてあるトレーニングメニューをこなして、あと、食事も食べて良いもの、悪いものが書いてあるからその通りにやってね。
ちゃんとやってるかどうかは、このグラフに表示されるから、騙せないよ。
2ヶ月で終了だから、頑張って!」
「ちょっと待った!
言ったでしょ?
私はそんなことしないって!
なんでそんなことしなきゃならないのよ。
馬鹿馬鹿しい!
それに、何?
あなたがひらめきの神様?そんなこと信じられないわ。
さ、フィリップ、行きましょう!」
リンダはフィリップの腕を取って立ち去ろうとした。
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