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ルカ(聖夜月ルカ)

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015. ヒーロー養成ギプス

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「リンダ…どうか、僕の気持ちを信じて欲しい…」

「そんな…信じられないわ。
だって、あなたはこの町一番の人気者…
かっこいいし、頭だって良い、歌も上手で絵も上手、その上、あなたの家はものすごいお金持ち…
そんな皆の憧れの的のあなたが私のことなんて相手にするはずがないわ…
私なんてちっとも美人じゃないし、スタイルも良くないし、それに…」

「何を言ってるんだ…
僕には、他の女の子なんて皆同じに見えるよ。
その中で輝いて見えるのは…君だけさ…リンダ…」

「きゃっ…フィリップ…
だめよ、人が見てるわ!」

「見てるからなんだって言うの?
僕は、もっとたくさんの人に見て欲しいくらいだよ。
世界中の皆に言いたいんよ。
リンダは僕のものだって…!」

「フィリップ…」

リンダとフィリップの熱い視線が絡みあい、そして、フィリップの唇がリンダの方に近付いて来る。
リンダは気配を感じ、そっと目を閉じた…



「お楽しみの所、ちょっと失礼するよ!」



リンダが突然響いた甲高い声に驚き目を開くと、そこにはタキシードに蝶ネクタイを締めた白いウサギがいた。



「あ、あ、あんた!
何なのよ!
ウサギの癖に、そんな仰々しい格好して…しかも、今、しゃべったわね!
なんで、ウサギがしゃべるのよ!」

「そう、かっかしないでよ。暑苦しいなぁ…
そもそもここは脳内なんだよ。
ウサギが服を着るのも、普通に喋るのもなんでもあり!
だいたいさぁ、そうじゃなきゃ、こんなカッコイイ彼があんたに告白なんてしないでしょ!」

「よ、よ、よくも言ってくれたわね!
そんなこと、わからないじゃないの!
かっこいい人の中にも物好きはいるわよ!」

「物好き…?」

ウサギは口許を押さえ、肩を震わせて笑っている。



「……感じ悪いわね!
あっち行きなさいよ!しっしっ!」

「やめてよ。ボクは犬じゃないんだから…
それとね、ボクは用事があって来たんだから。」

「用事?何なのよ!
一応聞くだけは聞いてあげるから早く話しなさい!」

「チェッ…偉そうなんだから。
そういう性格直さないと、友達出来ないよ。」

「そんなこと言うならもう聞かない!
あっち行って!」

「良いから聞いてってば!!
実は、ボクは、フィリップをスカウトに来たんだ!」

「スカウト~?
あんた、ウサギの癖に芸能プロダクションでもやってるの?」

「そんなわけないじゃん…
黙ってボクの話を聞いてよね。」
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