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006. 喧嘩
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「…まぁ、確かにメリーは一人が嫌いだけど…」
「そうだな…あいつはああ見えてかなりの寂しがり屋だからな…でも、そんなことくらいで…」
「ないとはいえないぞ。
昨日は、俺達、誰一人としてあいつにつきあってやらなかったから…そのことでよほど傷付いたとか…」
「そういえば、今まではたいてい誰かがつきあってあげてたわよね。
私は昨日は化粧品のバーゲンがあったから急いで帰ったんだけど、きっと真澄さんか世夜が遊んであげてると思ってた。」
「俺は、昨日はちょっと海外から荷物が届く事になっててね…
それが楽しみで早く帰ってしまったんだ。
世夜も帰ったのか?」
その荷物が何であるか、アヤと世夜にはおおよその見当が付いていた。
「あぁ、俺もちょっと気になることがあったからね。」
それがどういう用事なのか、世夜はそれ以上語ろうとはしなかった。
「……つまり、メリーは誰にも遊んでもらえなかったわけだ。
それが、寂しかったんだな、きっと。」
「それであんなに荒れてたのね。
じゃあ、これからは少し優しくしてやらなきゃね。」
「あんなことをやってまで、かまってほしいのかもしれないな。
全く、子供みたいな奴だな…」
三人の方針はまとまった。
*
「世夜のばかーーーー!」
突然背後から現れたメリーのパンチを、世夜はわざとよけなかった。
「うっ…
メリー、今日も元気が良いな。」
世夜は痛みをこらえて、無理に作り笑顔を浮かべる。
「……世夜、怒らないのん?」
「怒る?なんでだ?」
世夜はそう言いながら、さらにひきつった笑顔を浮かべた。
その言葉に一瞬戸惑ったような表情を浮かべたメリーは、一呼吸置いて今度は世夜のみぞおちに重い膝蹴りを打ちこんだ。
「うっ…」
眉間に皺を寄せ、身を縮める世夜を、メリーはじっと見つめる…
「メリー、痛いじゃないか~…」
世夜の笑顔はどこか不気味で、メリーはそのまま教室に走り去った。
(おかしいのねん…
世夜、なんであんなことしたのに怒らないのん??)
メリーは、世夜の思いがけない反応に頭を抱えた。
「そうだな…あいつはああ見えてかなりの寂しがり屋だからな…でも、そんなことくらいで…」
「ないとはいえないぞ。
昨日は、俺達、誰一人としてあいつにつきあってやらなかったから…そのことでよほど傷付いたとか…」
「そういえば、今まではたいてい誰かがつきあってあげてたわよね。
私は昨日は化粧品のバーゲンがあったから急いで帰ったんだけど、きっと真澄さんか世夜が遊んであげてると思ってた。」
「俺は、昨日はちょっと海外から荷物が届く事になっててね…
それが楽しみで早く帰ってしまったんだ。
世夜も帰ったのか?」
その荷物が何であるか、アヤと世夜にはおおよその見当が付いていた。
「あぁ、俺もちょっと気になることがあったからね。」
それがどういう用事なのか、世夜はそれ以上語ろうとはしなかった。
「……つまり、メリーは誰にも遊んでもらえなかったわけだ。
それが、寂しかったんだな、きっと。」
「それであんなに荒れてたのね。
じゃあ、これからは少し優しくしてやらなきゃね。」
「あんなことをやってまで、かまってほしいのかもしれないな。
全く、子供みたいな奴だな…」
三人の方針はまとまった。
*
「世夜のばかーーーー!」
突然背後から現れたメリーのパンチを、世夜はわざとよけなかった。
「うっ…
メリー、今日も元気が良いな。」
世夜は痛みをこらえて、無理に作り笑顔を浮かべる。
「……世夜、怒らないのん?」
「怒る?なんでだ?」
世夜はそう言いながら、さらにひきつった笑顔を浮かべた。
その言葉に一瞬戸惑ったような表情を浮かべたメリーは、一呼吸置いて今度は世夜のみぞおちに重い膝蹴りを打ちこんだ。
「うっ…」
眉間に皺を寄せ、身を縮める世夜を、メリーはじっと見つめる…
「メリー、痛いじゃないか~…」
世夜の笑顔はどこか不気味で、メリーはそのまま教室に走り去った。
(おかしいのねん…
世夜、なんであんなことしたのに怒らないのん??)
メリーは、世夜の思いがけない反応に頭を抱えた。
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