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ルカ(聖夜月ルカ)

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006. 喧嘩

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「…まぁ、確かにメリーは一人が嫌いだけど…」

「そうだな…あいつはああ見えてかなりの寂しがり屋だからな…でも、そんなことくらいで…」

「ないとはいえないぞ。
昨日は、俺達、誰一人としてあいつにつきあってやらなかったから…そのことでよほど傷付いたとか…」

「そういえば、今まではたいてい誰かがつきあってあげてたわよね。
私は昨日は化粧品のバーゲンがあったから急いで帰ったんだけど、きっと真澄さんか世夜が遊んであげてると思ってた。」

「俺は、昨日はちょっと海外から荷物が届く事になっててね…
それが楽しみで早く帰ってしまったんだ。
世夜も帰ったのか?」

その荷物が何であるか、アヤと世夜にはおおよその見当が付いていた。



「あぁ、俺もちょっと気になることがあったからね。」

それがどういう用事なのか、世夜はそれ以上語ろうとはしなかった。



「……つまり、メリーは誰にも遊んでもらえなかったわけだ。
それが、寂しかったんだな、きっと。」

「それであんなに荒れてたのね。
じゃあ、これからは少し優しくしてやらなきゃね。」

「あんなことをやってまで、かまってほしいのかもしれないな。
全く、子供みたいな奴だな…」

三人の方針はまとまった。







「世夜のばかーーーー!」

突然背後から現れたメリーのパンチを、世夜はわざとよけなかった。



「うっ…
メリー、今日も元気が良いな。」

世夜は痛みをこらえて、無理に作り笑顔を浮かべる。



「……世夜、怒らないのん?」

「怒る?なんでだ?」

世夜はそう言いながら、さらにひきつった笑顔を浮かべた。
その言葉に一瞬戸惑ったような表情を浮かべたメリーは、一呼吸置いて今度は世夜のみぞおちに重い膝蹴りを打ちこんだ。




「うっ…」

眉間に皺を寄せ、身を縮める世夜を、メリーはじっと見つめる…



「メリー、痛いじゃないか~…」

世夜の笑顔はどこか不気味で、メリーはそのまま教室に走り去った。



(おかしいのねん…
世夜、なんであんなことしたのに怒らないのん??)

メリーは、世夜の思いがけない反応に頭を抱えた。
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