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004. 大神殿
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あいつとは確かに仲が悪かったけど、まさかここまで酷いことをされるとは…
ハリーは、きっと最初からこうするつもりだったんだ。
そこまで嫌われて…いや、憎まれていたことに気付かなかったのは本当に迂闊だった。
だが、今更そんなことを悔やんでもどうにもならない。
探査機に積み込まれているのは、人間ひとりが約一週間生きていけるだけの食料と酸素だけだ。
金星には、もちろん空気もなければ知的生命体もいない。
つまり、僕の命は、あと一週間しかもたないということだ。
(最悪だ…今回の任務がこんなことになるなんてな…)
これからの一週間をどう過ごそう…
そんなこと、決められるはずもなかった。
だが、その場にじっとしていると余計に気が滅入りそうだったので、僕はやみくもに探査機を走らせた。
*
(なんだ、あれは…)
金星に置いてけぼりにされて三日目のことだった。
この二日間というもの、砂漠化した風景しか見ていなかったが、探査機のレーダーは三日目に巨大な建物のようなものを発見したのだ。
金星にこのような建造物があるなんて報告はなかった。
僕は、好奇心にかられ、そこに向かって探査機を走らせた。
近付くにつれ、それは偶然に出来たものではなく、明らかに何者かが作った建造物だということがわかった。
それは、地球の神殿を思わせるものだった。
一体、誰が、何のためにこのようなものを…!?
僕は高鳴る胸を押さえられないまま、その建物の傍に向かった。
ハリーは、きっと最初からこうするつもりだったんだ。
そこまで嫌われて…いや、憎まれていたことに気付かなかったのは本当に迂闊だった。
だが、今更そんなことを悔やんでもどうにもならない。
探査機に積み込まれているのは、人間ひとりが約一週間生きていけるだけの食料と酸素だけだ。
金星には、もちろん空気もなければ知的生命体もいない。
つまり、僕の命は、あと一週間しかもたないということだ。
(最悪だ…今回の任務がこんなことになるなんてな…)
これからの一週間をどう過ごそう…
そんなこと、決められるはずもなかった。
だが、その場にじっとしていると余計に気が滅入りそうだったので、僕はやみくもに探査機を走らせた。
*
(なんだ、あれは…)
金星に置いてけぼりにされて三日目のことだった。
この二日間というもの、砂漠化した風景しか見ていなかったが、探査機のレーダーは三日目に巨大な建物のようなものを発見したのだ。
金星にこのような建造物があるなんて報告はなかった。
僕は、好奇心にかられ、そこに向かって探査機を走らせた。
近付くにつれ、それは偶然に出来たものではなく、明らかに何者かが作った建造物だということがわかった。
それは、地球の神殿を思わせるものだった。
一体、誰が、何のためにこのようなものを…!?
僕は高鳴る胸を押さえられないまま、その建物の傍に向かった。
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