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003. 天界
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「シュミット!シュミットーーー!」
シュミットの母は、まだ温もりの残るシュミットの体にすがりつき、涙を流して彼女の名を叫んだ。
シュミットは、まだ18歳。
しかも、昨日までは特にこれといった異変もなかった。
それなのに、シュミットは、急な心臓の発作によって、あっけなくこの世を去ってしまったのだ。
*
「シュミット・リーガン…こちらへ。」
真っ白な長いローブをまとった青年が、低い声でそう言った。
「は、はい…」
「シュミット…ここがどこだかわかるか?」
「い、いえ…」
「ここは天界だ。」
「天界?そ、そんな馬鹿な!」
「急なことで信じられないだろうが、早くに現実を受け入れることだ。
これを見なさい。」
青年は、空気を丸く掌でなぞった。
するとそこに、ある風景が映し出された。
そこに集まった者達は皆、黒い服を身にまとい、涙を流していた。
「か、母さん!父さん!ロザリー!」
「おまえの声はもう届かない。
良いか、おまえは亡くなったのだ。
これからは、ここ、天界がおまえの居場所だ。
早速だが、おまえに仕事を与える。
おまえはこのリストの者が亡くなったら、その魂を天界に連れて来るのだ。
やや問題のある者ばかりだから、苦労もあるかもしれないが、頑張るように。」
「え…わ、私、そんなこと…
魂を連れて来るだなんて、私…」
青年が指を鳴らすと、その場の景色が一変した。
シュミットは、ある寂れた酒場にいたのだ。
しかも、天井近くに浮かんでいた。
シュミットの母は、まだ温もりの残るシュミットの体にすがりつき、涙を流して彼女の名を叫んだ。
シュミットは、まだ18歳。
しかも、昨日までは特にこれといった異変もなかった。
それなのに、シュミットは、急な心臓の発作によって、あっけなくこの世を去ってしまったのだ。
*
「シュミット・リーガン…こちらへ。」
真っ白な長いローブをまとった青年が、低い声でそう言った。
「は、はい…」
「シュミット…ここがどこだかわかるか?」
「い、いえ…」
「ここは天界だ。」
「天界?そ、そんな馬鹿な!」
「急なことで信じられないだろうが、早くに現実を受け入れることだ。
これを見なさい。」
青年は、空気を丸く掌でなぞった。
するとそこに、ある風景が映し出された。
そこに集まった者達は皆、黒い服を身にまとい、涙を流していた。
「か、母さん!父さん!ロザリー!」
「おまえの声はもう届かない。
良いか、おまえは亡くなったのだ。
これからは、ここ、天界がおまえの居場所だ。
早速だが、おまえに仕事を与える。
おまえはこのリストの者が亡くなったら、その魂を天界に連れて来るのだ。
やや問題のある者ばかりだから、苦労もあるかもしれないが、頑張るように。」
「え…わ、私、そんなこと…
魂を連れて来るだなんて、私…」
青年が指を鳴らすと、その場の景色が一変した。
シュミットは、ある寂れた酒場にいたのだ。
しかも、天井近くに浮かんでいた。
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