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001. 砂の城
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「小人もうまいことを考えたものですね。
人間が乗れば落ちてしまう階段を作れば、小人以外にはこの最上部には上がれないということですね。
宝物の隠し場所としては最高ですね。」
「感心してる場合か。
その鍵がなけりゃ小人の村には入れないんだぞ。」
「…そうですね。
なにか手は……そうだ!
オウムかなにか、頭の良い鳥を飛ばして、取りに行かせたらどうでしょう?」
「あの扉はどうすんだ?
それに、宝物が重かったら持てないぞ。
第一、そんな芸当が出来る鳥をどこでみつけて来るつもりなんだ?」
そうなんだ。
階段の先には扉があって、それを開けないと部屋には入れないようになっている。
いくら小さな扉だとはいっても、鳥にはとても開けられそうにない。
「では…小さな子供を梯子であそこまで持ち上げて、取りに行かせるというのは…」
「おまえなぁ…小人の大きさを知ってるのか?
人間で言えば、せいぜい生まれたての赤ん坊程度の大きさだぞ。
そんな赤ん坊がこの長い階段を…」
「……ルークさん…?
どうかなさったんですか?」
急に言葉が途切れた俺の顔を、ランスロットがのぞきこむ。
「え……あ……あぁ……」
その時、俺の頭の中にはある考えが浮かんでいた。
そうだ…生まれたての赤ん坊くらい大きさの人間なら行けるかもしれない!
つまり…真夜中のちっちゃくなった俺だったら…
だけど、それには一つ大きな問題がある。
俺の秘密がバレてしまうってことだ。
はしごを上るのもちっちゃくなった俺には大変なことだが、なんとかそれが出来たとしても、そこから階段は少し離れているため、ランスロットに階段まで手を伸ばして乗せてもらわなければならない。
どうしよう…!?
「ルークさん、大丈夫ですか?
御加減でもお悪いのでしたら、今日は戻りましょうか?」
「いや、そうじゃない…そうじゃないんだ…」
まぁ、こいつが悪い奴ではないことはわかってるからその点は信用してるんだけど、やっぱりこの秘密は知られたくない。
でも、知られずになんとか上まで登れる方法が他にあるか?
階段が壊れてなけりゃ俺だけでもなんとかなったのに…畜生!
ランスロットは、俺のことを心配そうな顔をしてみつめてるし…
どうすりゃ良いんだ!?
……結局、悩んだあげく、俺は覚悟を決めた。
ええい!もうどうにでもなれ!
俺は、ランスロットに俺の秘密を話すことに決めた。
人間が乗れば落ちてしまう階段を作れば、小人以外にはこの最上部には上がれないということですね。
宝物の隠し場所としては最高ですね。」
「感心してる場合か。
その鍵がなけりゃ小人の村には入れないんだぞ。」
「…そうですね。
なにか手は……そうだ!
オウムかなにか、頭の良い鳥を飛ばして、取りに行かせたらどうでしょう?」
「あの扉はどうすんだ?
それに、宝物が重かったら持てないぞ。
第一、そんな芸当が出来る鳥をどこでみつけて来るつもりなんだ?」
そうなんだ。
階段の先には扉があって、それを開けないと部屋には入れないようになっている。
いくら小さな扉だとはいっても、鳥にはとても開けられそうにない。
「では…小さな子供を梯子であそこまで持ち上げて、取りに行かせるというのは…」
「おまえなぁ…小人の大きさを知ってるのか?
人間で言えば、せいぜい生まれたての赤ん坊程度の大きさだぞ。
そんな赤ん坊がこの長い階段を…」
「……ルークさん…?
どうかなさったんですか?」
急に言葉が途切れた俺の顔を、ランスロットがのぞきこむ。
「え……あ……あぁ……」
その時、俺の頭の中にはある考えが浮かんでいた。
そうだ…生まれたての赤ん坊くらい大きさの人間なら行けるかもしれない!
つまり…真夜中のちっちゃくなった俺だったら…
だけど、それには一つ大きな問題がある。
俺の秘密がバレてしまうってことだ。
はしごを上るのもちっちゃくなった俺には大変なことだが、なんとかそれが出来たとしても、そこから階段は少し離れているため、ランスロットに階段まで手を伸ばして乗せてもらわなければならない。
どうしよう…!?
「ルークさん、大丈夫ですか?
御加減でもお悪いのでしたら、今日は戻りましょうか?」
「いや、そうじゃない…そうじゃないんだ…」
まぁ、こいつが悪い奴ではないことはわかってるからその点は信用してるんだけど、やっぱりこの秘密は知られたくない。
でも、知られずになんとか上まで登れる方法が他にあるか?
階段が壊れてなけりゃ俺だけでもなんとかなったのに…畜生!
ランスロットは、俺のことを心配そうな顔をしてみつめてるし…
どうすりゃ良いんだ!?
……結局、悩んだあげく、俺は覚悟を決めた。
ええい!もうどうにでもなれ!
俺は、ランスロットに俺の秘密を話すことに決めた。
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