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001. 砂の城
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その晩、俺達はストック爺さんの家に泊めてもらうことになった。
そして、とにもかくにも、とりあえずその場所を見に行ってみることにして、俺達は、次の朝早くに旅立った。
*
*
*
「ここだ…
この砂漠の西の方に……あ、あれだな。」
ランスロットのおかげで俺は普段はめったに乗らない馬車に乗り、三日目には地図にあった砂漠に着いた。
歩いて行ったら、一週間はかかっただろうな。
しかも、砂の城は砂煙の向こうにうっすらと佇み、すぐにみつけることが出来た。
「こんなわかりやすい場所にあって誰も手を出さないとは…やはり、ストックさんのお話は本当なのかもしれませんね。」
あたりには人影さえもない。
そのことがなおさら俺の気持ちを不安にさせた。
さらさらした砂に足を取られながら、俺達は砂の城を目指した。
周りには何もないからすぐ近くのように思っていたが、歩いてみるとそこそこの距離があった。
建物の前には、以前は扉があったであろう入口が口を開けていた。
背をかがめても入れない高さなので、俺達は腹這いになってそこを通り抜けた。
「なんだこりゃあ…」
側面にあったはずの階段は落ち、まったく背の届かないあたりから上の方へ続く階段はそのままあった。
ちょうど立てかけられた長いはしごのあたりから階段がなくなってる所を見ると、そいつは、壁にはしごをかけて、そこから階段に手か足をかけた瞬間、階段が壊れたのだろう。
その高さを見る限り、きっと、そいつは落下した時にかなり酷い怪我をしたはずだ。
側面には不規則に四角い穴が開けられ、そのおかげで城の内部は暗くはない。
部屋らしきものは遥か上方にあり、多分、そこに鍵があると思うんだけど、そこに行き着く手段がないんだ。
そして、とにもかくにも、とりあえずその場所を見に行ってみることにして、俺達は、次の朝早くに旅立った。
*
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「ここだ…
この砂漠の西の方に……あ、あれだな。」
ランスロットのおかげで俺は普段はめったに乗らない馬車に乗り、三日目には地図にあった砂漠に着いた。
歩いて行ったら、一週間はかかっただろうな。
しかも、砂の城は砂煙の向こうにうっすらと佇み、すぐにみつけることが出来た。
「こんなわかりやすい場所にあって誰も手を出さないとは…やはり、ストックさんのお話は本当なのかもしれませんね。」
あたりには人影さえもない。
そのことがなおさら俺の気持ちを不安にさせた。
さらさらした砂に足を取られながら、俺達は砂の城を目指した。
周りには何もないからすぐ近くのように思っていたが、歩いてみるとそこそこの距離があった。
建物の前には、以前は扉があったであろう入口が口を開けていた。
背をかがめても入れない高さなので、俺達は腹這いになってそこを通り抜けた。
「なんだこりゃあ…」
側面にあったはずの階段は落ち、まったく背の届かないあたりから上の方へ続く階段はそのままあった。
ちょうど立てかけられた長いはしごのあたりから階段がなくなってる所を見ると、そいつは、壁にはしごをかけて、そこから階段に手か足をかけた瞬間、階段が壊れたのだろう。
その高さを見る限り、きっと、そいつは落下した時にかなり酷い怪我をしたはずだ。
側面には不規則に四角い穴が開けられ、そのおかげで城の内部は暗くはない。
部屋らしきものは遥か上方にあり、多分、そこに鍵があると思うんだけど、そこに行き着く手段がないんだ。
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