15 / 24
夢
15
しおりを挟む
『これからどうするつもりなんだ?』
「そうだな、ライラと仲良くなって、アルドーにも紹介してもらおうと思う。
で、あのことが起きる日にアルドーの家にでもいさせてもらえれば、必ず奴を守れるからな。」
『そううまくいくかな?』
「いくさ!
いや、なにがなんでもうまくやらなきゃならないんだ。
そうじゃなきゃ、時を遡った意味がなくなるからな!」
*
次の日からジュリアンはライラの店に入り浸ってはアルドーのことを詳しく聞き出した。
コンテストまでは、あと三日。
いいかげん、今の状況を進展させなくてはいけない時期になっていた。
「なぁ、ライラ、一度、アルドーに会わせてもらえないか?
ここに飾ってる絵を見てたら、絵を描いてる本人にすごく興味がわいてしまってな。
何のチカラにもならないかもしれないけど、応援してるってことも伝えたいし…」
「ごめんなさい、ジュリアンさん。
彼はもともと人見知りで社交下手な人なんですけど、今は絵に没頭するために私とも会わないくらいなんです。
絵が完成したら、必ずご紹介しますからそれまで待ってて下さいね。」
「……そうか、残念だな。
で、彼はどこに住んでるんだ?
あ、心配しなくて大丈夫だぜ!
いきなり訪ねて行ったりなんかしないから。
コンテストの当日、花でも贈らせてもらおうかと思ってな。」
「それなら…もうじき、彼の所に食料を持って行くんですけど、ジュリアンさんも一緒に来られますか?」
「あぁ、そうさせてもらうよ!」
ライラに案内された場所は、ライラの店から歩いて20分ほどの古いアパートの二階の部屋だった。
ライラは扉の前にバスケットをそっと置くと、そのまま階段を下り始めた。
「え?黙って帰るのか?」
「ええ、気が散るといけませんから。
いつもこうしてるんです。」
声をひそめてそう呟くライラにジュリアンも続いた。
「そうだな、ライラと仲良くなって、アルドーにも紹介してもらおうと思う。
で、あのことが起きる日にアルドーの家にでもいさせてもらえれば、必ず奴を守れるからな。」
『そううまくいくかな?』
「いくさ!
いや、なにがなんでもうまくやらなきゃならないんだ。
そうじゃなきゃ、時を遡った意味がなくなるからな!」
*
次の日からジュリアンはライラの店に入り浸ってはアルドーのことを詳しく聞き出した。
コンテストまでは、あと三日。
いいかげん、今の状況を進展させなくてはいけない時期になっていた。
「なぁ、ライラ、一度、アルドーに会わせてもらえないか?
ここに飾ってる絵を見てたら、絵を描いてる本人にすごく興味がわいてしまってな。
何のチカラにもならないかもしれないけど、応援してるってことも伝えたいし…」
「ごめんなさい、ジュリアンさん。
彼はもともと人見知りで社交下手な人なんですけど、今は絵に没頭するために私とも会わないくらいなんです。
絵が完成したら、必ずご紹介しますからそれまで待ってて下さいね。」
「……そうか、残念だな。
で、彼はどこに住んでるんだ?
あ、心配しなくて大丈夫だぜ!
いきなり訪ねて行ったりなんかしないから。
コンテストの当日、花でも贈らせてもらおうかと思ってな。」
「それなら…もうじき、彼の所に食料を持って行くんですけど、ジュリアンさんも一緒に来られますか?」
「あぁ、そうさせてもらうよ!」
ライラに案内された場所は、ライラの店から歩いて20分ほどの古いアパートの二階の部屋だった。
ライラは扉の前にバスケットをそっと置くと、そのまま階段を下り始めた。
「え?黙って帰るのか?」
「ええ、気が散るといけませんから。
いつもこうしてるんです。」
声をひそめてそう呟くライラにジュリアンも続いた。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
天使からの贈り物・決意
ルカ(聖夜月ルカ)
ファンタジー
単細胞の石好き男・ジュリアンと、石の精霊・エレスの不思議な旅物語・第5弾!
旅の途中でジュリアンが知り合ったのは、ラリーとスージーという仲の良い兄妹だった。
もうじき結婚することが決まっていたスージーの身に、とんでもないことが起きて…
天使からの贈り物・誤算
ルカ(聖夜月ルカ)
ファンタジー
ジュリアンとエレスの旅物語・第4弾です。
ある町で、ジュリアンはネイサンとポールという二人の炭鉱夫と仲良くなった。
その出会いは、ジュリアンに深い心の傷を与えることに…
天使の探しもの
ルカ(聖夜月ルカ)
ファンタジー
創造主との賭けにより、身体を二つに分けられ、一切の能力をも奪われて地上に落とされた天使・ブルーとノワールは、遠く離れた場所にいた。
しかし、天界に戻るためには、二人が出会わなければならない。
二人は数々の苦難を乗り越え、そして……
※表紙画は詩乃様に描いていただきました。
天使からの贈り物・恋
ルカ(聖夜月ルカ)
ファンタジー
石好き男・ジュリアンと、石の精霊・エレスのちょっと不思議な旅物語。第6弾です。
恋には縁遠かったジュリアンが、ついに運命の出会いを果たした。
しかし、その出会いは……
魔法少女の異世界刀匠生活
ミュート
ファンタジー
私はクアンタ。魔法少女だ。
……終わりか、だと? 自己紹介をこれ以上続けろと言われても話す事は無い。
そうだな……私は太陽系第三惑星地球の日本秋音市に居た筈が、異世界ともいうべき別の場所に飛ばされていた。
そこでリンナという少女の打つ刀に見惚れ、彼女の弟子としてこの世界で暮らす事となるのだが、色々と諸問題に巻き込まれる事になっていく。
王族の後継問題とか、突如現れる謎の魔物と呼ばれる存在と戦う為の皇国軍へ加入しろとスカウトされたり……
色々あるが、私はただ、刀を打つ為にやらねばならぬ事に従事するだけだ。
詳しくは、読めばわかる事だろう。――では。
※この作品は「小説家になろう!」様、「ノベルアップ+」様でも同様の内容で公開していきます。
※コメント等大歓迎です。何時もありがとうございます!
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる