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迷いと気掛かり

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 「そうか。
それは良かった。
これは忙しくなるぞ。」

 舞踏会のことを陛下に話すと、陛下はたいそう喜んで下さった。



 私もだんだん楽しみになって来た。
そうだよ…せっかくダンスを習ったんだから、踊らないともったいないよね。



 「舞踏会用にドレスを新調せねばならんな。」

 「え?ドレスならたくさんございますが…」

 「そなたが元気になった祝いの舞踏会なのだぞ。
ドレスくらい作らねば。」



そうかもしれない。
いつ死んでもおかしくないと思われていた王女が元気になったんだもん。
 陛下も嬉しいよね。
ドレスだって作ってあげたくなるよね。



ここは、遠慮せずに陛下に甘えておこう。
 言ってみれば、親孝行みたいなもんだもん。



シャルアさんが以前着てたドレスもいっぱいあったし、元気になって歩けるようになったからということでドレスを新調してもらって…今や、着切れない程の数がある。
こっちに来て、フェルナンさんがもらって来てくれた茶色のワンピースとは違い、色も綺麗で刺繍が施されたものやら、宝石のようなものが縫い付けられたものなど、どれもとても素敵なものだ。
しかも、生地が良いのか、着心地もすごく良い。



さすがは王族だよね。
 髪を結うのも着替えも、全部侍女がやってくれるし…
最初は申し訳ないような恥ずかしいような気分だったけど、いつの間にかそういうことにも慣れてしまった。

 
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