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王女と王と宰相と

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 「もうそろそろガザン王が来られる時刻ですね。」

 「……そうですね。」

 私は、カーテンの引かれた寝台に横になり、準備を整えた。



 「そうそう、ガザン王は宰相を伴って来られるらしいですよ。」

 「宰相を…?」

 隠し部屋でサンドラさんに教えてもらった。
 宰相っていうのは、政を手伝う役職で、とても高い位の人だ。



 「もしかしたら、宰相が決まったことをお知らせに来られるのかもしれませんね。
ご挨拶がてら、来られたのでは?」

なるほど。
そういうことなら納得が出来る。
 多分、宰相は、マリウスさんの幼馴染のアンセルさんだね。
そう言えば、私はアンセルさんと会う機会がなかったな。



 「シャルア様…ガザン王が来られました。」

レベッカさんが、おずおずと知らせる。



 「通して下さい。」

 「はい。」



リラックス、リラックス。
 顔さえ見られなければ、絶対にバレない。
 私は、目を閉じ、深呼吸をした。



 緊張が解ける間もなく、扉が大きく開かれた。
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