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王女シャルア
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「なんですって?陛下がそんなことを!?」
夜も更けた頃、私はサンドラさんと一緒にシャルアさんのいる隠し部屋を訪ねた。
「はい、陛下は私のことを完全にシャルアさんだと思われていますし、元気になったことをとても喜んでいらっしゃいます。
驚かれはしましたが、魔法使いのことも快くお許しになりました。
ですから、そのようなお話をして下さったのだと思います。」
「そうですか…それは良かったです。」
シャルアさんは嬉しそうに微笑んだ。
「ただ……王妃様のことが少し気にかかるのですが…」
「何か気にかかるようなことがあったのですか?」
「ええ…まぁ…
王妃様がやたらと私の顔を見られてたような気がするんです。」
「そうなのですか…
サンドラ…大丈夫でしょうか?」
「まだなんとも申せませんが…おそらくは、シャルア様が回復されたことを驚かれただけではないかと思います。」
「そうだと良いのですが……」
たとえ、疑惑を抱かれたとしても、私達が双子で生まれて来たことを知らなければ、替え玉になってることがバレるはずはない。
陛下でさえご存知ないことを、王妃様が知るはずはないのだから、きっと、サンドラさんの推測通りだとは思うけど…でも、油断は禁物。
慎重にいかないと…
「なんですって?陛下がそんなことを!?」
夜も更けた頃、私はサンドラさんと一緒にシャルアさんのいる隠し部屋を訪ねた。
「はい、陛下は私のことを完全にシャルアさんだと思われていますし、元気になったことをとても喜んでいらっしゃいます。
驚かれはしましたが、魔法使いのことも快くお許しになりました。
ですから、そのようなお話をして下さったのだと思います。」
「そうですか…それは良かったです。」
シャルアさんは嬉しそうに微笑んだ。
「ただ……王妃様のことが少し気にかかるのですが…」
「何か気にかかるようなことがあったのですか?」
「ええ…まぁ…
王妃様がやたらと私の顔を見られてたような気がするんです。」
「そうなのですか…
サンドラ…大丈夫でしょうか?」
「まだなんとも申せませんが…おそらくは、シャルア様が回復されたことを驚かれただけではないかと思います。」
「そうだと良いのですが……」
たとえ、疑惑を抱かれたとしても、私達が双子で生まれて来たことを知らなければ、替え玉になってることがバレるはずはない。
陛下でさえご存知ないことを、王妃様が知るはずはないのだから、きっと、サンドラさんの推測通りだとは思うけど…でも、油断は禁物。
慎重にいかないと…
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