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side マグダナ

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私は、子が出来なくなる薬を飲み続けた。
リゴレットの跡継ぎ等、決して産んではならないからだ。



 薬のおかげで何年も子が生まれなかった。
だが、そのことで王は側室を招き入れた。
その女は、本来、王と結婚するはずだった名門貴族の娘だと知った。
 王も、アーリアの神託によって、幸せを奪われたのだ。
しかし、それでも、同情する気にはなれなかった。



 側室・二ルジェにはすぐに子が生まれた。
 最初はその子だけを殺すつもりだった。
だが、王の二ルジェに対する優しい眼差しを見ていたら、憎しみが募った。
 嫉妬ではない。
リゴレットの王が、幸せでいることが許せなかったのだ。



 二ルジェは思いの外、早くに死んだ。
 毒が効きやすい体質だったのかもしれない。
 王の悲しみに暮れる顔を見た時は、本当に胸がすっとした。



 私は、その少し前にとても悲しい経験をし、酷く気分が落ち込んでいた。
その時は、そんな気分も吹き飛ぶような爽快な気分だった。



あとは、シャルアが死ぬのを待つだけ…
そうすれば、この国の王位継承者はいなくなる。
そんな時、大巫女アーリアの神託が下った。
しかも、相手は私の故郷であるヴァリアン王国だ。
 神が…いや、悪魔が私を応援してくれているのだと思った。



シャルアの体はすでに毒に蝕まれ、結婚出来るような状態ではない。
 遠いヴァリアンに行くことすら無理だろう。
アーリアの神託に背いて国が滅びるのと、シャルアの命が尽きるのと、一体どちらが先だろうと思っていたのに、シャルアが回復した…



(こんなこと、あるはずがない!)



きつく噛みしめた唇から、赤い血が流れ出した。

 
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