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リゴレット王国

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気分を変えるため、私は隠し部屋の中を見て回った。
 寝室がふたつ、居間と小さな台所、そして、お風呂やトイレもあった。
 入って来たのとは違う扉もみつけた。



 (あれ…?)



 今の片隅に、布をかけられた大きな姿見があった。
なにげなく布を取る。



 (えっ!?)



そこに映っていたのは、私ではなくシャルアさんの寝室だった。
どういうことかはわからないけど、何か急に怖くなって、私は布をかけ直した。



 (シャルアさん……)



 今までずっと離れてたし、存在さえも知らなかった。
だけど、やっぱりシャルアさんのことは気の毒に思える。
 毒って言ってたけど、どうしてそんなことになったんだろう?
 自ら毒を飲むはずなんてないし、誰かに飲まされたんだろうか?



 考えれば、シャルアさんも同じだ。
 恋愛感情なんて一切ない、顔さえ知らない人と結婚させられるのは…
もし、シャルアさんが健康だったとしても、きっとシャルアさんは言われた通りに結婚しただろう。



いやじゃないのかな?辛くないのかな?
 王族の人達は、みんなそんな風なんだろうか?
たとえ、大巫女アーリアの神託がなくても、時にはそんなことがあるんだろうか?



 (王族って、大変だね…)



って、私も王族なんだよね?
でも、やっぱりまだ信じられない。
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