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ブラッサの町

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 「……少し休むか?」

 「は、はい。」



ランダスの村を出てからが遠かった。
しばらくするとわりと広い道に出て、行き交う人とも出会うようになった。
 皆、それなりに重そうな荷物を持っていたり、荷車を引いてたり…
子供でさえも、文句を言わずに歩いてる。えらいな。



 途中で、馬車が追い越して行くのを見た。
でも、フェルナンさんが乗らないってことは、馬車は運賃が高いのかもしれない。



 (頑張らなきゃ…!)



 足だけじゃなく、腰まで痛くなって来て、思わず音をあげそうになった時、ようやくフェルナンさんが休もうかって言ってくれた。
 出来れば、冷たい飲み物とちょっとしたスイーツでも食べたいところだけど、そんなものがここにあるはずがない。
ただ、道端に座るだけだけど、それだけでも疲れた体にはありがたかった。



 「だいぶ疲れたみたいだな。」

 「え…は、はぁ…」

 嘘でも「疲れてない。」とは言えなかった。



 「え?」

フェルナンさんが差し出したのは、水筒みたいなものだった。
もちろん、中身は山の湧き水だ。



 「あ、ありがとうございます。」

もう温くはなってたけれど、疲れた体には染み渡った。
 水筒を返すと、躊躇いもせずフェルナンさんがそれを飲む。
なんだかちょっとドキッとした。



 「さぁ、もう少しだ。頑張ろう!」

 「は、はいっ!」



 結局、ブラッサの町に着いたのは、それから一時間以上歩いてからだった。
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