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side 優一
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「まいちゃんは、もちろん、私とあんたが夫婦だと思ってるよね。
なのに、私の留守中に香織さんを家に招き入れて……つまり、その……あんたと香織さんが浮気してると思ったみたいなんだよね。」
「な、なんだって……
そんな馬鹿な……」
ただ、家に来ていただけで、どうしてそんなことを想像するのか、僕には信じられない気持ちだった。
「優一、知ってた?
翔君のパパって本当のパパじゃないってこと。」
「知らないよ、そんなこと。
第一、パパとはまだ会ったことないし。」
「まいちゃんが翔君を産んだのは19の時だったんだってさ。
相手は同い年の男の子で、ろくに働きもせず、まいちゃんが必死で働いてたらしい。
でね、ある日、忘れ物をして家に帰ったら知らない女が出て来たんだって。
女はエプロンをかけて、まるで自分の家みたいに振舞って、まいちゃんのことを知らないから、本当に女房気取りだったらしいよ。
女は旦那の浮気相手だった。
どうやら、まいちゃんが仕事に出かけたらずっと家に入り浸ってたみたいなんだ。
それがわかって、まいちゃんは旦那とは別れた。
篠宮さんを見た時、まいちゃんにはきっとその時の記憶がよみがえったんだね。
なんだかたまらない気持ちになって、次の日、花屋のオーナーに話に行ったらしいんだ。」
「えっ!そんなありもしない話を?」
「そう……
まいちゃんもその時は頭に血が上ってたから、香織さんのこと、すっごくいやだと思ってたみたいなんだけど、しばらくして落ち着いてきたら、だんだん心配になってきたらしいんだ。
香織さんは、まいちゃんの旦那の浮気相手とは全くタイプが違うし、考えてみればいつもは小太郎がいたわけだし、もしかしたら誤解だったんじゃないかって思ったらしいんだけど、もう引くに引けない状態だったみたいなんだよね。
だけど、今更謝りにくいし、だけど、こたと翔君は仲良しだし、ご近所だからこれからだって会うことも多いだろうし、どうしたら良いかって悩んでたんだ。」
「そんな……」
考えてみれば、篠宮さんが用事が出来たからと言ってうちに来なくなったのは、あの次の週からだ。
翔君ママの話と符合する。
(だったら、篠宮さんは店のオーナーに、もううちには行かないように言われたってことなのか…!?)
そう思うと、僕は絡まった糸の一部がすーっとほどけたような気持ちを感じた。
なのに、私の留守中に香織さんを家に招き入れて……つまり、その……あんたと香織さんが浮気してると思ったみたいなんだよね。」
「な、なんだって……
そんな馬鹿な……」
ただ、家に来ていただけで、どうしてそんなことを想像するのか、僕には信じられない気持ちだった。
「優一、知ってた?
翔君のパパって本当のパパじゃないってこと。」
「知らないよ、そんなこと。
第一、パパとはまだ会ったことないし。」
「まいちゃんが翔君を産んだのは19の時だったんだってさ。
相手は同い年の男の子で、ろくに働きもせず、まいちゃんが必死で働いてたらしい。
でね、ある日、忘れ物をして家に帰ったら知らない女が出て来たんだって。
女はエプロンをかけて、まるで自分の家みたいに振舞って、まいちゃんのことを知らないから、本当に女房気取りだったらしいよ。
女は旦那の浮気相手だった。
どうやら、まいちゃんが仕事に出かけたらずっと家に入り浸ってたみたいなんだ。
それがわかって、まいちゃんは旦那とは別れた。
篠宮さんを見た時、まいちゃんにはきっとその時の記憶がよみがえったんだね。
なんだかたまらない気持ちになって、次の日、花屋のオーナーに話に行ったらしいんだ。」
「えっ!そんなありもしない話を?」
「そう……
まいちゃんもその時は頭に血が上ってたから、香織さんのこと、すっごくいやだと思ってたみたいなんだけど、しばらくして落ち着いてきたら、だんだん心配になってきたらしいんだ。
香織さんは、まいちゃんの旦那の浮気相手とは全くタイプが違うし、考えてみればいつもは小太郎がいたわけだし、もしかしたら誤解だったんじゃないかって思ったらしいんだけど、もう引くに引けない状態だったみたいなんだよね。
だけど、今更謝りにくいし、だけど、こたと翔君は仲良しだし、ご近所だからこれからだって会うことも多いだろうし、どうしたら良いかって悩んでたんだ。」
「そんな……」
考えてみれば、篠宮さんが用事が出来たからと言ってうちに来なくなったのは、あの次の週からだ。
翔君ママの話と符合する。
(だったら、篠宮さんは店のオーナーに、もううちには行かないように言われたってことなのか…!?)
そう思うと、僕は絡まった糸の一部がすーっとほどけたような気持ちを感じた。
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