110 / 308
side 香織
3
しおりを挟む
*
「僕ね、今日はハンバーグがいいな。
ママもハンバーグはすきだよ。」
「そう…じゃあ、ハンバーグにしようか。」
おやつが済んだら帰ろうと思ってたけど、小太郎ちゃんがやっぱりお買い物に行きたいと言い出したので、お店に連絡してお買い物だけ行っておくことにした。
「小太郎ちゃん、ママはいつも何時頃帰って来る?」
「う~んと…僕がごはん食べて、テレビ見てたら帰って来る。」
おそらくそれは7時過ぎあたりじゃないかと思った。
お店は6時までだから、それからもう一度ここに来て、小太郎ちゃんと奥様の夕飯を作ってあげようと私は考えていた。
奥様には、あのお客様のことももっと詳しく知りたいし…それに、旦那様のことも……
私が立ち入るような問題ではないことはわかっていたけれど、それでも、どうしても知りたかった。
「かーちゃん!」
「あ、サトシ君!」
友達数人と自転車に乗ったサトシ君が、手を振って通り過ぎて行った。
「おばちゃん……今の……あーーー!ピヨたんだぁ~!」
「あ、小太郎ちゃん、走っちゃ危ないわよ!」
小太郎ちゃんは、スーパーの前にいた地元のゆるキャラに向かって駆け出した。
*
「じゃあ、パパが起きてきたら、6時過ぎに花屋のおばちゃんが来てごはんを作るから、パパはゆっくり寝ててって言っといてね。
大丈夫かな?ちゃんと言える?」
「は~い!
6時に花屋のおばちゃんが来るから、パパは寝とくんだよね?」
「う~ん…
うん、それで良いわ。
じゃあ、それまでひとりで遠くに行っちゃだめよ。
今日はお家で遊んでてね。」
やっぱりメモを書いておけば良かったかと考えながら、私は堤さんの家を出た。
「僕ね、今日はハンバーグがいいな。
ママもハンバーグはすきだよ。」
「そう…じゃあ、ハンバーグにしようか。」
おやつが済んだら帰ろうと思ってたけど、小太郎ちゃんがやっぱりお買い物に行きたいと言い出したので、お店に連絡してお買い物だけ行っておくことにした。
「小太郎ちゃん、ママはいつも何時頃帰って来る?」
「う~んと…僕がごはん食べて、テレビ見てたら帰って来る。」
おそらくそれは7時過ぎあたりじゃないかと思った。
お店は6時までだから、それからもう一度ここに来て、小太郎ちゃんと奥様の夕飯を作ってあげようと私は考えていた。
奥様には、あのお客様のことももっと詳しく知りたいし…それに、旦那様のことも……
私が立ち入るような問題ではないことはわかっていたけれど、それでも、どうしても知りたかった。
「かーちゃん!」
「あ、サトシ君!」
友達数人と自転車に乗ったサトシ君が、手を振って通り過ぎて行った。
「おばちゃん……今の……あーーー!ピヨたんだぁ~!」
「あ、小太郎ちゃん、走っちゃ危ないわよ!」
小太郎ちゃんは、スーパーの前にいた地元のゆるキャラに向かって駆け出した。
*
「じゃあ、パパが起きてきたら、6時過ぎに花屋のおばちゃんが来てごはんを作るから、パパはゆっくり寝ててって言っといてね。
大丈夫かな?ちゃんと言える?」
「は~い!
6時に花屋のおばちゃんが来るから、パパは寝とくんだよね?」
「う~ん…
うん、それで良いわ。
じゃあ、それまでひとりで遠くに行っちゃだめよ。
今日はお家で遊んでてね。」
やっぱりメモを書いておけば良かったかと考えながら、私は堤さんの家を出た。
0
お気に入りに追加
33
あなたにおすすめの小説
もしも、貴方に逢えたなら
笙
恋愛
〝少し〟恋人に対して尽くしすぎてしまう原田 綾音(ハラダ アヤネ)は、同棲していた恋人の浮気により振られ、地元に帰ってきていた。友人に今までの愚痴をぶつけていると配信アプリを勧められ、そこで配信者〝葉(ヨウ)〟と出会う。現実(リアル)とネットの境目をあまり感じていない綾音は、配信で会うにつれて次第に葉に恋愛感情を抱き、付き合いたいと思うようになる。しかし葉は、リアルとネットを混合させない男だった。全く違う価値観を持つ葉、綾音はこの恋を諦められるのか。それとも……。
私、異世界で保護されました! 〜やりたいことのために猪突猛進です〜
星宮歌
恋愛
片翼。
それは、魔族にとって祝福であると同時に呪いでもある。
そして、私はその呪いの部分を受けて育ってきた。
片翼である父親を独占したいがために私を邪魔に思う母親と、私を愛していると言いながらも母親に言いなりの父親。
母親の意向に従って私を虐める使用人達……。
暗くて、光の見えない世界。
それでも耐えられたのは、『いつかきっと、チャンスが来る!』と励ましてくれる前世らしき記憶。
「いつか、きっと……」
そして、その日は、ある日突然やってきた。
お待たせしました!
新片翼シリーズの『私、異世界で魔族になりました! 〜恋愛嫌いなのにどうしろと?〜』の続編です♪
とはいえ、前作を読んでいなくとも分かる内容にしていますので、ぜひ読んでみてください(むしろ、前作に今作のネタバレがあったりします(^o^;))
ひとまず、完結までの予約は完了しましたので、5月11日に完結します!
虐げられた皇女は父の愛人とその娘に復讐する
ましゅぺちーの
恋愛
大陸一の大国ライドーン帝国の皇帝が崩御した。
その皇帝の子供である第一皇女シャーロットはこの時をずっと待っていた。
シャーロットの母親は今は亡き皇后陛下で皇帝とは政略結婚だった。
皇帝は皇后を蔑ろにし身分の低い女を愛妾として囲った。
やがてその愛妾には子供が生まれた。それが第二皇女プリシラである。
愛妾は皇帝の寵愛を笠に着てやりたい放題でプリシラも両親に甘やかされて我儘に育った。
今までは皇帝の寵愛があったからこそ好きにさせていたが、これからはそうもいかない。
シャーロットは愛妾とプリシラに対する復讐を実行に移す―
一部タイトルを変更しました。
スローン・オブ・ヘブン~歌姫はシュウマツに愛を謳う~
黒幸
ファンタジー
物質界と精神界が融合し、新たな現実が始まった蒼き星。
見慣れぬ異形の隣人を前に人々は絶望する。
希望の光はまるで見えない。
それでも人々は生きて、死んでいく。
まさに終末の世界だ。
しかし、人々は完全に絶望した訳ではない。
歌姫の唄を微かな希望として、胸に抱きながら……。
基本的にはヒロインの一人称視点。
ただし、説明回のような場合などで視点が他のキャラクターの視点になったり、三人称視点になる場合があります。
意地を張っていたら6年もたってしまいました
Hkei
恋愛
「セドリック様が悪いのですわ!」
「そうか?」
婚約者である私の誕生日パーティーで他の令嬢ばかり褒めて、そんなに私のことが嫌いですか!
「もう…セドリック様なんて大嫌いです!!」
その後意地を張っていたら6年もたってしまっていた二人の話。
王子様、お仕えさせて下さいませ
編端みどり
恋愛
伯爵令嬢のジーナは、本が大好き。ずっと本を読んでいたせいで目が悪くなり、近眼気味。
ある日、兄の職場を訪ねたジーナは図書館らしき場所を見つけて大興奮。兄への届け物も忘れてフラフラと本棚に近づこうとして第二王子を踏んづけてしまう。家が取り潰しされかねない不敬を、第二王子はあっさり許してくれた。
だけど、それを知った王太子はジーナを許さなかった。期限付きで城に留まる事になったジーナは、優しい第二王子に生涯の忠誠を誓う。
みんなに馬鹿にされても、舐められても何も言わなかった第二王子は、ジーナの命を助けたくて今まで逃げていた事に必死で向き合い始めた。全ては、初めて好きになったジーナの為。だけど第二王子を主人として慕うジーナは、王子の気持ちに全く気が付かない。
ジーナと第二王子をくっつけたい王太子の企みをスルーして、ジーナを疑う第三王子の信頼を得て、召喚された聖女と仲良くなり、ジーナの世界はどんどん広がっていく。
どんなにアプローチしても気付かれない可哀想な王子と、少し毒舌で鈍感な伯爵令嬢のラブストーリー。
逃げたヒロインと逃げられなかった王子様
わらびもち
恋愛
夜会で腕に浮気相手をぶら下げて婚約破棄を宣言した婚約者。
そんなことすればどういう結果になるか、分かるでしょう?
今更「助けてくれ」と言われても知りませんよ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる