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ミニカー(みずがめ座)
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「フレイザー!
見て!あそこ!おもちゃ屋さんがあるよ!
行ってみようよ。」
旅の途中でふらりと立ち寄ったある町で、フレイザーとエリオットは商店街を散策していた。
「おい、エリオット、なんでそんなことわかるんだ?」
「だって、書いてあるじゃない。
あれ『おもちゃ』って字じゃない?」
「そうだっけ?」
「あ、フレイザー、字の勉強サボってるでしょ。
僕は、セリナに毎晩みてもらってるから少しずつ読めるようになって来たんだ。」
「すごいな、おまえ。
俺も覚えたいんだけど…どうもこの世界の文字は覚えにくくてな。」
「フレイザーの方が先に覚えるだろうと思ってたよ。
あ、やっぱりだ!
ほら!」
エリオットが指差した店のショーウィンドウには人形やぬいぐるみが並べられていた。
「おもちゃ屋さんって少ないと思わない?
この世界の子供達は、おもちゃで遊ばないのかな?」
「そんなことはないだろうけど…
きっと、親が作ってやったりするんじゃないか?」
「あ…そういえば、いかにも手作りっぽい人形を持ってた子と会ったことがある。」
「……ちょっとのぞいてみるか。」
二人はおもちゃ屋の扉を押し開けた。
「わぁ…可愛い。」
壁には色鮮やかな童話風の絵が描かれ、棚には子供が喜びそうな人形やぬいぐるみを中心に、積み木のようなものや木で作られた剣や盾、ままごと道具らしきものが並べられていた。
「いらっしゃいませ。」
二人は、声をかけた店主に微笑を返した。
(やっぱり、ほとんどが木製だね。)
(そうだな。
まだプラスチックとかは見かけたことないもんな。)
二人は、どこか温もりを感じさせる素朴な木のおもちゃを手に取った。
「あ、フレイザー。
これ、積み木だけどパズルみたいになってるよ。
面白いね。」
「あ……」
フレイザーは、エリオットの言葉に耳を貸さず、何かに吸い寄せられるように店の奥に歩いていった。
「エリオット!」
「何?フレイザー。」
「見ろよ、これ…」
「これって…」
「面白いでしょう?」
二人は背中からかけられた声に同時に振り向いた。
見て!あそこ!おもちゃ屋さんがあるよ!
行ってみようよ。」
旅の途中でふらりと立ち寄ったある町で、フレイザーとエリオットは商店街を散策していた。
「おい、エリオット、なんでそんなことわかるんだ?」
「だって、書いてあるじゃない。
あれ『おもちゃ』って字じゃない?」
「そうだっけ?」
「あ、フレイザー、字の勉強サボってるでしょ。
僕は、セリナに毎晩みてもらってるから少しずつ読めるようになって来たんだ。」
「すごいな、おまえ。
俺も覚えたいんだけど…どうもこの世界の文字は覚えにくくてな。」
「フレイザーの方が先に覚えるだろうと思ってたよ。
あ、やっぱりだ!
ほら!」
エリオットが指差した店のショーウィンドウには人形やぬいぐるみが並べられていた。
「おもちゃ屋さんって少ないと思わない?
この世界の子供達は、おもちゃで遊ばないのかな?」
「そんなことはないだろうけど…
きっと、親が作ってやったりするんじゃないか?」
「あ…そういえば、いかにも手作りっぽい人形を持ってた子と会ったことがある。」
「……ちょっとのぞいてみるか。」
二人はおもちゃ屋の扉を押し開けた。
「わぁ…可愛い。」
壁には色鮮やかな童話風の絵が描かれ、棚には子供が喜びそうな人形やぬいぐるみを中心に、積み木のようなものや木で作られた剣や盾、ままごと道具らしきものが並べられていた。
「いらっしゃいませ。」
二人は、声をかけた店主に微笑を返した。
(やっぱり、ほとんどが木製だね。)
(そうだな。
まだプラスチックとかは見かけたことないもんな。)
二人は、どこか温もりを感じさせる素朴な木のおもちゃを手に取った。
「あ、フレイザー。
これ、積み木だけどパズルみたいになってるよ。
面白いね。」
「あ……」
フレイザーは、エリオットの言葉に耳を貸さず、何かに吸い寄せられるように店の奥に歩いていった。
「エリオット!」
「何?フレイザー。」
「見ろよ、これ…」
「これって…」
「面白いでしょう?」
二人は背中からかけられた声に同時に振り向いた。
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