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「奈美、急ぎでこの書類を10部コピー……」
書類を持って来た樹生さんの目が、足が急に止まった。
異変を感じ、私が振り向くと、そこには靴音を響かせながら一直線に歩いてくる二階堂さんがいて…
私は恐怖で固まった。
「君…何を……」
樹生さんが私の前に来ようとした時、それよりもいち早く二階堂さんが私の傍に来て、私の頬を激しく打った。
「なんで、あんたみたいな女に……」
二階堂さんは唇を震わせる。
私がショック状態になっているところに、今度はつかつかと樹生さんが私の前にやって来て、二階堂さんの頬を叩いた。
私はびっくりして、ますます動けなくなった。
な、何?何が起きたの??
オフィスの人達も皆、その場の状況に茫然としていた。
「な、なんてことを…!」
二階堂さんは打たれた頬に手をあて、樹生さんをみつめその場に立ち尽くしていた。
「奈美に危害を加える者を僕は絶対に許さない!」
「許さないですって?あなた…正気なの?
なんで、こんなつまらない女をかばうの!?」
「僕から見れば、奈美より君の方がずっとつまらない女だよ。」
「よ、よくもそんなことを…!
覚えておきなさいよ!」
二階堂さんは私を睨み付け、踵を返してオフィスを出て行った。
「奈美…大丈夫だった?」
「え?は、はい。私は大丈夫です。」
でも、びっくりした。
まさか、樹生さんがあんなことするなんて。
いつもはとても穏やかな人だから、二階堂さんを打った時は本当にめちゃくちゃびっくりしたよ。
「心配しないで。
君のことは、僕が守るから。」
樹生さんに抱き締められて、恥ずかしさに顔が熱くなる。
オフィスの人達が見てるのに。
だけど、幸せで、このままずっとこうしていたいって思う私もいて…
「奈美、急ぎでこの書類を10部コピー……」
書類を持って来た樹生さんの目が、足が急に止まった。
異変を感じ、私が振り向くと、そこには靴音を響かせながら一直線に歩いてくる二階堂さんがいて…
私は恐怖で固まった。
「君…何を……」
樹生さんが私の前に来ようとした時、それよりもいち早く二階堂さんが私の傍に来て、私の頬を激しく打った。
「なんで、あんたみたいな女に……」
二階堂さんは唇を震わせる。
私がショック状態になっているところに、今度はつかつかと樹生さんが私の前にやって来て、二階堂さんの頬を叩いた。
私はびっくりして、ますます動けなくなった。
な、何?何が起きたの??
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「な、なんてことを…!」
二階堂さんは打たれた頬に手をあて、樹生さんをみつめその場に立ち尽くしていた。
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「許さないですって?あなた…正気なの?
なんで、こんなつまらない女をかばうの!?」
「僕から見れば、奈美より君の方がずっとつまらない女だよ。」
「よ、よくもそんなことを…!
覚えておきなさいよ!」
二階堂さんは私を睨み付け、踵を返してオフィスを出て行った。
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「え?は、はい。私は大丈夫です。」
でも、びっくりした。
まさか、樹生さんがあんなことするなんて。
いつもはとても穏やかな人だから、二階堂さんを打った時は本当にめちゃくちゃびっくりしたよ。
「心配しないで。
君のことは、僕が守るから。」
樹生さんに抱き締められて、恥ずかしさに顔が熱くなる。
オフィスの人達が見てるのに。
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