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「二宮さん、今日は本当にどうもありがとうございました。
あの、これ、つまらないものなんですが…」

俺は紙袋を差し出した。



「なんですか?」

「本当につまらないものなんです。何かお礼をしたかったので…あ、中身はボールペンです。」

「まぁ…お気遣いいただき、申し訳ありません。
では、遠慮なくいただきます。」

ボールペンにしてよかったと思った。
何が良いかと見て回っていた時、猫柄のボールペンをみつけたんだ。
一本一本、職人の手彫りらしく、ボールペンにしてはかなり高価なものだ。
だけど、ボールペンだと聞けば、そんなに高いとは思われないだろうから、遠慮なく受け取って貰えると思って、それにした。



「プライベートな件で忙しい想いをさせて、申し訳ありませんでした。」

「いえいえ、本当に仕事の合間にやってることですから、お気遣いなく。
それに家探しは、なんだかとても楽しかったです。」



その時、ふと思った。
二宮さんはどんな所に住んでいるのだろう?、と。
年齢的に考えると、子供ももう独立して…夫婦二人でこじんまりしたマンションにでも住んでいるのだろうか?
いや、ペット不可のアパートだと坂田が言っていた。



「あの、二宮さんはどんなお家に住まれてるんですか?」

興味本位に俺は訊ねた。
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