廻天の王女と太陽の騎士は穏やかに恋をする

３０

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「わぁ、紗季そのものだな。」

美容院から帰って来た私を見て、父が目を丸くしました。



「そうでしょう？私もびっくりしたわ。
さすがは双子ね。二人並んだら、きっと見分けがつかないわね。」

髪を少し切り、パーマというものをあてて、けっこう雰囲気が変わりました。
なんというのか、以前より少し活発な印象になったような気がします。



「これなら、紗季じゃないなんて思う人はいないだろうな。」

そう言われて、私も安堵しました。
長年、シャキアと暮らして来た二人がそんな風に言うのですから、小林さんもきっと私をシャキアだと思ってくれるはずです。
いえ、元々、疑ってはいないとは思います。
私が心配し過ぎているのでしょう。



（シャキア…あなたもきっと心配だったでしょうね。）



あの時は、そこまで深刻に考えたことはありませんでしたが、今になると、シャキアの気持ちがわかるような気がします。
身代わりがバレないかと、シャキアも不安だったことでしょう。
シャキアの場合は、相手が国王だということもありますし、その重圧は私以上のものだっただろうと思われます。