愛するオトコと愛されないオンナ～面食いだってイイじゃない！？

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「でも、芹香さんは沢渡君の顔にしか興味がないって、悩んでたわよ。
あなた、すごい面食いなんですってね。
だからね、顔以外も好きになってもらうように頑張りなさいって、そんな話をしていたところなのよ。」

 「え……」



すごい急展開。
しかも、とても信じられないような話で…



うん、やっぱり信じられないよ。
 柊司さんが私に惹かれてるなんて…
だって、由紀子さんはこんなに美人で上品で…
こんな人を好きだった人が、私を好きになったりする？
あまりにタイプが違い過ぎるよ。
 私は、夢でも見てるの？



 「いたーーい！」



 思いっきりつねった頬っぺたは、すごく痛かった。



 「……それはどういう行動なの？」

ぽかんとしてる由紀子さんの隣で、八重樫さんは肩を揺らしている



「あ、あの…今、私…夢でも見てるんじゃないかと思って…」

 「なるほど。夢なら頬をつねっても痛くないと思ったのね。
そんなことしなくても、これは現実よ。」

 「そ、そうなんですか…
でも、やっぱり私…信じられません。
 私、綺麗でもなければ、頭が良いわけでもないし、けっこういいかげんでずぼらですし…
そんな私を好きになってもらえるはずがありません。」

 「あら、それだったら私も似たようなものよ。
 沢渡君に告白された時、とても信じられなかったわ。
 私みたいに何の取り柄もない女を、学園のアイドルだった沢渡君が好きになるはずないって。」

いえいえ、それは謙遜ではなく嫌味というもんです。
 誰が見ても美人でスタイルも良くて、その上、柊司さんと同じ学校って言うことはセレブなんだし、柊司さんと並んでも全く遜色ない人だよ。